前回の記事【キャンピングカーならではの本当にあった怖い話】を書いていて、またまた思い出しました。今回は前回のような微笑ましいものではなく、「本当に」怖かったエピソードです。決して夜中に読まないでください。
毎年のように訪れる、お気に入りの場所に停泊していたときの話です。だいたい周辺の状況も分かっています。
この日は、いつもとはちょっと離れたところに停車しました。言うなれば駐車場の端から端に移動した程度です。何となく、建物に近い方に停めたのです。電話ボックスがあり明るいというのも理由としてありました。
そこは海水浴場でもあり、電話ボックスの脇には古びた浮標(ブイ)がついた太いロープが丸めて置いてありました。深夜(早朝?)に人が歩く気配がして、ロープをズルズル引きずるような音がしていたので「クルマが邪魔かなぁ」と気になりつつも、そのまま寝入ってしまいました。
その近辺はキャンピングカー仲間さんがよく通る道筋で、「あそこに停まってたでしょ」とメールや電話をもらうことがあります。案の定、翌朝に目撃されていて、しばらく経ってから「何で、いつもと違う場所に停まってたの?」という話になりました。
「いやぁ、別に意味はないんだけど」と不思議に思っていると、「実は今だから言うけど、あの2〜3日前、あそこで亡くなった人がいるんだよ」と…。
ちょうど電話ボックスの隣(まさに停泊した場所)に救急車が駆けつけて対処していたようですが、助からなかったそうです。そう言えば朝、ロープもそのままだったし、誰かが通った形跡がなく「じゃあ何をしてたんだろう」と訝しんだのを思い出し、背筋が寒くなりました。以来、元々いつも停まっていた場所に停泊しています。
車中泊旅をしていると職務質問を受けることもあります。
その日は、山中のダム湖の駐車場で停泊していました。あまり詳しく書くと特定されるかも知れないので割愛しますが、綺麗で大きな建物があり、遊歩道が整備されているので愛犬の散歩やウォーキング/ジョギングをする人が早朝から訪れるようなところです。山中とはいえ決して薄気味悪いところではありません。
トントントン、すみませーん、という声で目が覚めました。ケータイを見たら6時過ぎです。邪魔になるようなところに停めてないし、何だろうと寝ぼけていると「○○警察です、誰かいますか?」。警察!? 驚きつつも返事をして上着を羽織り、そーっとドアを開けると確かに警察官が2人、立っていました。
「朝早くからすみません、全員揃っていますか?」
変なことを聞くものだなと思いながら「はぁ、一人なんですが…」「えっ、お一人? このクルマで?」という筆者にとっては毎度毎度のやりとりを終え、「何かあったんですか?」と訪ねてみたら…
「実は、この近くでお亡くなりになっている方が発見されまして」
交通機関は限られているので、おそらく自家用車で来たはずだからクルマを探しているとのこと。身元を確認できるものを所持していなかったそうです。その駐車場には、就寝した時点では他に3〜4台の普通乗用車が停まっていたので、「これこれのクルマは昨夜からいました」と伝えました。
この経験が、「ほかに1台・2台だけいる」状況の方が怖いと感じる原因のひとつでもあります。犯罪も含めて、相手が何目的で来ているのか判らないからです。【キャンピングカー旅、停泊場所の思い出エピソード】で挙げた「安眠のためのチェックポイント」以外に、今回のようなケースも頭の片隅にはあります。
※写真は文中の場所とは関係ありません。
(松本しう周己)
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Source: clicccar.comクリッカー