【ロンドン=篠崎健太】2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針の英政府が、対象にハイブリッド車(HV)も含める案を検討していることが明らかになった。複数の英メディアが4日報じた。トヨタ自動車の「プリウス」など、現行のHVは将来売れなくなる恐れがある。現実になれば自動車メーカーの戦略に大きく影響しそうだ。
英政府は17年7月、内燃機関で走る車の販売を40年までに禁じる方針を打ち出した。排ガスによる大気汚染を防ぐ環境政策として「従来型のガソリン車とディーゼル車の販売を全てやめる」とした。ただ具体的な対象は説明されていなかった。
英紙フィナンシャル・タイムズと英自動車専門誌オートカーは関係者の話として、英政府が40年以降、少なくとも50マイル(約80キロメートル)は電気だけで走行できる車に限り販売を認める案を検討中だと伝えた。電気モーターとエンジンを併用するHVの場合、現状では電気による走行性能が同基準に届かず、環境対応車の枠から締め出されることになるという。
トヨタが17年に全面改良した新型プリウスのプラグインハイブリッド車(PHV)は、電気自動車(EV)としての走行距離が68.2キロメートル。従来の2倍以上に延びたが、報じられた約80キロメートルの基準には達しない。自動車各社は今後、HVについてもバッテリーなど電動性能の大幅な向上を迫られることになりそうだ。
もっとも、自動車行政を担う英交通省の広報担当者は、HVが規制対象になるとの報道を否定した。検討を進めている販売禁止の具体策を巡り、英政府内でも意見が割れているとの観測も出ている。自動車業界などの意見を踏まえて緩和される可能性がある。
自動車の環境規制ではフランス政府も17年、ガソリン車とディーゼル車の仏国内での販売を40年までに禁じる方針を示した。世界最大の自動車市場である中国も環境規制の強化に動いており、EV開発の流れが加速しそうだ。
2018/5/5 10:16
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30136680V00C18A5000000/
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Source: 新型車情報局