前回は、キャンピングカーにおけるLPガス問題、ガスコンロと冷蔵庫について考察しました。引き続きLPガスに関する話題、今回は「暖房」についてです。
暖房はガスよりもガソリンや軽油を燃料とするFFヒーターを搭載しているキャンピングカーの方が多いのではないでしょうか。ベース車両の燃料タンクと共用していれば、いちいち燃料を給油する手間も省けます(タンクが空になるのを防ぐため、残量が少なくなると供給がストップする仕組みになっています)。
筆者の我が家・Rocky21の暖房はガス方式で、LPガスの残量が気になる時はカセットガスヒーターを使用しています。追加の防寒対策としては車載用シートヒーターを車内で使用するとか、シンプルに湯たんぽを足元に入れたりしています。
この冬は、ほとんどガスヒーターを使わずに過ごしてみましたが(熊本に滞在)、当然ながらパワーがまるで違うのでカセットガスヒーターではスイッチを切ったとたんに寒いと感じました。車内空間の広さも、この時ばかりはあだになりました…。
ちなみに筆者が使用しているカセットガスヒーターは、ボンベ1本で3時間〜3時間半ほど使用できます。火力調整できるもの、調理に使えるよう角度を変えられるものなど色んなタイプがあるので興味のある方は調べてみてください。ただし、車内空間が狭い場合は絶対に使用しないでください。
もうひとつの暖房手段としてエンジンをかけるという手もありますが、アイドリングストップなどTPOをわきまえるべきですからスマートではありませんね。もちろん予算があれば、ガソリンや軽油を燃料とするヒーターに取り替えることは可能です。
さて、ガスが必要となった場合に生じるのが充てん問題です。
ご自宅でLPガスを使用しているならば、その営業所にお願いするのがもっとも手っ取り早いのですが、都市ガスやオール電化だった場合はそれができません。筆者は幸い地元の営業所が充填してくれるので助かっていますが、営業所から充填所までボンベを持って行くので、最短で翌日、遅ければ2〜3日かかります。
旅先では、まず充填所の電話番号を調べて片っ端から電話確認をしています。「キャンピングカーで使用している家庭用ガスボンベへの充填は可能でしょうか?」と丁寧な言葉遣いを心がけています。
もし断られても、決して逆切れしてはいけません。気をとり直して、次にかけます。OKが出たら、今度は周辺道路の確認です。これを怠ったために住宅街に入ってしまい、困窮したことがあります。下校中の小学生に囲まれ、近所の人たちも出てきて「大丈夫、大丈夫!」「行ける行ける!」と一大イベントに発展した苦い思い出があるので、二度と同じ過ちを起こさないためにも必ず聞いています。
最後に、料金です。ボンベ1本につきいくら、と決まっているところもあれば、単価で量り売りしてくれるところもあります。LPガスの料金は地域によってまちまちです。筆者の体験では、安いところと高いところの差は2倍以上あります。
キャンピングカーにLPガスが必要か不要かと問われれば、筆者は「必要」と答えます。冷蔵庫・冷凍庫のためです。
筆者はよく「つくりおき」をします。一食ぶんずつフリーザーバッグに入れて冷凍しておくのです。写真は、それを解凍しているところ。夏場は結露することで湿気とり代わりにもなります。もっと省電力で冷えるキャンピングカー用冷蔵庫ができるか、高性能のバッテリーができれば、LPガス式でなくてもいいのですが。もちろん最も重要なのは「お手頃価格」ですね。
ちなみに充填してくれた営業所はカーナビにポイント登録してありますが、翌年には方針が変わって充填してもらえなくなった、という事もありましたので、電話確認は相変わらず必須です。現在は友人・知人に助けてもらって、紹介してもらうパターンがほとんどになりました。本当にありがたいです。
次回もキャンピングカー生活を支えるエネルギーのひとつ、サブバッテリーについてお送りします。
(松本しう周己)
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Source: clicccar.comクリッカー