2018年4月11日、ホンダの新型PCX/150の試乗会が開催されヤングマシン編集部も初試乗。まずは速報となるが、スマートキー採用やデザイン刷新など以上に、各部の煮詰めで磨きがかけられた走りが印象的だった。
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試乗した大屋氏が新フレームを絶賛
「全然別物。新型は車体がしっかりしてるからサスの動きらからして違う。スッと入るんですよ。久し振りに感動しました」と新旧PCX150を乗り比べた大屋氏は開口一番こう語った。この日は風が強く高速道路ではバイクはゆさゆさ揺られ、150ccの高速走行にはつらいコンディションだったにも関わらず、伴走を務めたミヤケン氏は「新型は安心感が全然違う。接地感もすごい」と新型をベタ褒めした(詳しい試乗記は4月24日発売のヤングマシン6月号に掲載予定)。また、試乗会場にはアンダーボーンの旧型と細いパイクを組んだ新型のダブルクレードルフレームの現物も展示。さらにプレゼンテーションでも大きく取り上げられた。以下がその動画となる。
ダブルクレードルフレームの採用(動画より)
ダブルクレードル構造は、アンダーボーン構造に比べ剛性を上げやすく細いパイプで成立でき、軽量化できるメリットがあります。ダブルクレードル構造のメリットとフレームにマウントされるホンダのスクーターに初採用の樹脂製フロントカバーステーの採用により、フレームとフロントカバーステーの合わせた重量を従来モデルに対し、2.4㎏の軽量化をいたしました。かつ、フレーム剛性アップも成立させ、ライダーの入力に対しスムーズに気持ちよく車両が反応する走りを実現いたしました。
最大吸収荷重を向上させたリアサスペンション(動画より)
クッションストロークを15mm、アクスルトラベルを5mm増加させました。また、リヤクッションスプリングは、従来モデルの2段レートスプリングに対し、3段レートを採用しました。これらにより、上質な乗り心地で最大吸収荷重を向上させたサスペンションを実現させました。
エンジン出力の向上(動画より)
ここで目指したのは上質ながら、余裕を生むエンジン特性です。つまり出力は向上させながらライダーにリラックスして走ってもらえるそんなエンジン特性を目指しました。そこでエアクリーナーの容量を1リットル拡大し、内部の部品の配置の変更を行い、また、ドライブ/ドリブンフェイスを大型化し、変速比の幅を拡大いたしました。さらにライダーの入力に対し、スムーズに気持ちよく反応するFIセッティングの改良をしました。これらにより、従来モデル同等の低速域の加速力を保ちつつ、加えて中高速域での伸びのある走り、上質で余裕のあるエンジン特性として成立をさせました。
PCXハイブリッド&エレクトリック新情報
125のPCXが4月6日、PCX150が4月20日に発売するエンジン仕様に続くのが、PCX HYBRID(PCXハイブリッド)。こちらは44万円前後で8月発売というのが現在の情報となる。PCXハイブリッドは、エンジン版で使用しているACG(AC Generator:交流発電機)スターター式アイドリングストップシステムのモーターを走りにも活用するもので、その動力源となるリチウムイオンバッテリーが追加されている仕様だ。エンジンやモーターはPCXと同じものを使用しているため、コストや開発費を抑えることができるのも合理的と言える。そして、ハイブリッドにする目的は力強い加速力を生み出すためで、燃費はエンジン仕様と同等だという。CVTの変速比調整で生み出す加速とは異なるモーターのスムーズな加速特性は、PCXの目指すラグジュアリーなイメージを走りで具現化したものだという。
そして、完全電動版のPCX ELECTRIC(PCXエレクトリック)は夏の発売予定。価格は未定だったが、車両価格はエンジン版の倍=70万円くらいになりそうだ。さらに別途バッテリー代がかかる見込みでそれが30万円あたりと予想されている。
「2018新型PCXを撮影&全容を解説」記事はこちらへ
Source: WEBヤングマシン