昭和末期から平成初期にかけての名車を紹介するシリーズ企画。
軽いボディに高スペックのエンジンを積めば速い。このシンプルな正論を実現できる市販車は多くありません。
1979年発売の3代目シルビアをベースに、WRC必勝を期してグループB規定で開発されたスペシャルモデルが日産240RSです。このFRモンスターは1983年のニュージーランドラリーでの準優勝など、世界各地で健闘しました。
その概要を見ていきましょう。シルビアにはここに示すような3ドアハッチバック(オーナー:上原さん)もありますが、240RSでは剛性の観点から2ドアハードトップを選択。
これにワイドタイヤを装着するためにオーバーフェンダーを追加しました。
エンジンは1.8Lと2Lが用意されていたシルビアとは違い、2.4LのFJ24を搭載。このときインジェクションは選択せず、50φのソレックスキャブを2基採用して240psを発生させています。
ミッションは1速が左下にあり、競技中に常用する2-3速間のチェンジを素早く決められる「ローバック」タイプのクロスレシオ仕様。
前後バンパーやボンネットをFRPに置換するなどしたボディはなんと970Kgと軽量だったため、240RSは市販されたそのままで恐ろしく速いマシンでした。
当時、グループBホモロゲマシンは数多く世に出ていましたが、「買ってきてそのまま競技で勝てる」ほど速い市販車はそう多くはありません。240RSはその数少ない好例です。
●主要スペック
全長×全幅×全高:4330×1800×1310mm
エンジン:FJ24(2340cc)
最高出力:250ps/7600rpm(本文にあるように240psとされるケースも混在。馬力単位”hp”と”ps”の表記齟齬が原因か)
最大トルク:25.5kgm/6000rpm
(写真・動画・文/ウナ丼 取材協力・全日本ダットサンクラブ副会長 湯川峰さん)
【関連リンク】
日本クラシックカー協会・JCCAニューイヤーミーティング(取材協力)
http://www.jcca.cc/event/2018/newyear/
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Source: clicccar.comクリッカー