「本当に走れるミッドシップ…それがターゲットだ。すでに設計の青写真は出来上がった。1台のFFシティ・ターボも解体され、ミッド化の手術に取り掛かっている。製作過程では新たに、思わぬ難関も発生してくるはずだ。が、オレたちは全開で最終ターゲットの真中をブチ抜きたいと燃えている。」
という言葉からスタートしたOPTミッドシップ化計画。日本にはまだミッドシップカーなど誕生していない時代。そんな時代に国産ミッドシップ製作に挑んだOPT。その1~5で製作過程を紹介してきましたが、今回のその6で締めといきましょう。谷田部へ持ち込み、ゼロヨン&最高速計測に挑みました!
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OPTシティ・ミッド・ターボ
パワーアップが高効率で性能アップに直結!
来るべきミッドカー時代をリードして突っ走る、我がOPTシティ・ミッド。エアロパーツ、内装、足まわり、とチューニングステップアップを重ね、いよいよ待ちに待ったパワーアップを実現した!
折からシティターボⅡブルドッグもインタークーラー武装して登場。両車の比較も面白いところだ。OPTシティはお馴染みHKSでシティターボ145psキットを組み込んだ。このキットの内容は、インタークーラー、大容量エキゾーストハウジング、フューエルコンピューター、燃料カット防止回路、ターボタイマー、ブーストメーター(1.5kg/cm2)、オイルクーラー、アルミナイズド60φマフラー、軽量フライホイール、以上のパーツ。これでキット価格34万8000円。コストパフォーマンスからいってもおススメ品だ!
このうちインタークーラーとマフラーについては、ミッドシップ化したOPTシティ・ミッドターボにはそのまま取り付けることができないので、手作りの特注品となっている。
ゼロヨンがなんと14秒台に!
待望のパワーアップを果たしたOPTシティ・ミッド、即、谷田部での最高速&ゼロヨンのチェックだ。テスト時のタイヤはヨコハマのアドバン・アスペック175/60R13。これは意識的にブルドックの標準タイヤと同じにしてみた。
結果を先に言ってしまうと、ゼロヨン14秒99。最高速177.2km/hを記録した。エンジン関係がノーマル100psのベスト記録は、ゼロヨン16秒22。スリックタイヤ使用時で16秒02。最高速159.29km/hだった。比較するとゼロヨンで-1秒23、とりわけそのゼロヨンタイムは驚異的。
たかだか1.2リッターのボルトオンターボである。しかもノーマルタイヤで15秒を切っているのだから。パワーアップが効率よく駆動輪に伝えられたことになる。まさにミッドシップの面目躍如というわけだ。最高速で17.83km/hのアップだ。さらに最高速・ゼロヨンともにタイヤを考えて用意すればより良いデータを出したと思える。
最高速テスト時は6500rpmでシフトアップ、計測地点の通過は5速5500rpm。しかしこれ以上は伸びが止まってしまう。しかしパワー的にはまだいけそうなので、ハイトの高いタイヤ、ファイナルギヤ比の変更を行えばもう少しアップすることは確実。
ブースト圧は、最大ブースト圧1.4kg/cm2。水温の上昇もなく、安定しているので安心だ。が、こころなしかエンジン自体の疲労が感じられる。エンジンを一度、完全にオーバーホールして、このHKSのパーツを組み込んでトライしてみたいものだ。
ノーマルのシティターボに比べると、ミッドシップにはFF車で発生するトルクステアも当然無く、実に素直。
高速安定性については、ターボⅡに比べても十分に安定している。これはOPTシティ・ミッドターボに付けられているスポイラーの効果も大きく、エアロバランスは良好。
エンジン関係ノーマル時と比べて、パワー的には4000rpmを超えてからの加速感が大きく違う。ノーマルでも確かにターボ車特有の加速感があったが、現在は背中を思いっきりバットでブッ飛ばされた、そんな加速なのだ。これで排気量が1.2Lとはとても思えない。文字通り、ストリートNo.1だ。
これでエンジンに手を入れ、パワーに見合ったもう少しオーバーラップの大きなカムを使い、エンジン内部に手を入れた時のことを考えると、もう、ゾクゾクものだね。
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最高速、ゼロヨンともに、ノーマル時と比べ物にならないほどに成長した我がOPTシティ・ミッドターボ! 頑張りました~!! 改めてノバ・エンジニアリング様にお礼が言いたいデス! この数年後、OPTシティ・ミッドターボは新たに手が加えられ爆笑モノの姿に変えられてしまう!? のですが……それはまた、後々のお楽しみにとっておきましょう!!!
[OPTION 1984年2月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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