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【東京オートサロン2018】新車の34GT−Rは3200万円! R90CKは1億3700万円! ニッポンの宝が大挙出品された日本初の稀少車オークション、落札価格は?

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今回のオートサロンで初開催したにもかかわらず盛況のうちに終了した「東京オートサロン・オークション with BH Auction」。欧米のビンテージカーに負けない、日本ならではの価値観を根づかせるという崇高な目標のもと立ち上がったオークションですが、展示16台中、13台がみごと落札。大団円となりました。


どちらかというと個人売買や、クローズドの環境で行われきたビンテージカーのオークションですが、今回はショーアップされた場で売り買いできるという初めての試み。なにより感じたのはギャラリーの熱でした。「どんな値段がつくのか?」と興味シンシンで見守るお客さんのほか、初回は「様子見」としてエントリーを見送った風のお客さんもちらほら。

ただのショーに終わらない工夫も随所にあります。三井住友銀行グループともタッグ、売り手・買い手双方の信用を担保する代金決済サービス「エスクロー」を導入するなど、オークションの信用性・透明性向上に向けての取組みがなされています。また、秘密保持の観点から落札者情報がシークレットなのもビッダー(入札者)にとってはうれしいところ。チェックゲートもしっかりしているようで、基準を満たさないとの理由で当日になって出展をとりやめた車両もありました。

オープニングは、BHオークション代表の武井真司さんのあいさつから始まり、地元・千葉の日本太鼓集団TAKERUによる演奏からスタート。腹に響く野太いサウンドは、ビッダーにとって「腹をくくれ」のメッセージだったのかも?

そして、コンダクター(進行役)はクリス・ペプラーさん。名誉顧問である堺正章さんが登場。クラシックカーにも精通した堺さんの、エンターテイナーらしく笑いを交えた開会宣言にていよいよオークションのはじまりです。

各車両は、スタッフによる手押しでうやうやしく1台ごとにステージ前に運ばれ、エキゾーストノートも収録されたPVが流れ車両紹介。もちろんビッダーの皆さんは事前に目当ての車両はチェック済みなのはいうまでもありません。入札は金額を大きく声に出しながら、自身の番号が記されたビッダーズカードを高く掲げるというシステム。自動車ジャーナリストでありながらBHオークションにも関わる西川淳さんほか6名のビッダーズレフェリーが交通整理をしつつ、進行していきます。

ハンマーを鳴らし落札を伝えるコンダクターのクリス・ペプラーさんの静かなアオリによってBGMのないなか入札は進んでいきます。すべての落札車両を振り返ってみましょう。

●1968年 ホンダS800

■予想価格:500万〜800万円
■落札価格:850万円

オークション1台目だけにちょっと固めな雰囲気からスタート。ビッダーも場慣れしてないのか最初は手が上がらずドキリとしたものの、400万円からはじまりあっという間に850万円で落札されました。オリジナルであるべきところは残し通常のチューブレスタイヤにするなど日常使いもこなせる個体。

●1969年 日産スカイラインGT-R(PGC10)

■予想価格:900万〜1000万円
■落札価格:1310万円

生産台数わずか832台の4ドアは、北海道クラシックラリーの1000kmをノントラブルで走り切った現役マシン。予想価格を大きく上回る1310万円にて落札。

●1967年 Datsun フェアレディ2000(SR311)

■予想価格:800万〜1000万円
■落札価格:1050万円

最初期型の「ローウインド」仕様というマニア垂涎のフルレストア車両。生産台数640台のうちの1台は、みごと1050万円で競り落とされました。

●1969年 トヨタスポーツ800(UP15)

■予想価格:600万〜880万円
■落札価格:860万円

最低落札価格が設定されてないので150万円という格安スタートだったがすぐに上がって400万円を超えたと思ったらあれよという間に860万円でフィニッシュ。

●2013年 Spoon S2000 ST-4

■予想価格:580万〜900万円
■落札価格:不成立

和製レーシングマシン初のオークション。2016年まで現役でS耐を戦っていた車両。350万円からスタート、最後は5万円刻みで細かく競りが進み620万円を超えたものの取引不成立。

●1972年 デ・トマソパンテーラGroup4

■予想価格:2800万〜3500万円
■落札価格:3300万円

わずか8台しか存在しないグループ4車両のうちの1台。PVでは1977年の全日本スーパーカー選手権の模様も流され高揚した気分のなか一気に3000万円超え。

●2002年 日産スカイラインGT-R V-spec II Nür

■予想価格:2500万〜3000万円
■落札価格:3200万円

未登録の新車という、もう二度と世に出ないだろうBNR34は、走行距離わずか10km。スタート価格2000万円に会場はどよめいた。最後は刻んで3200万円でSOLD!

●2007年 Spoon NSX-R GT Version

■予想価格:1350〜1850万円
■落札価格:1700万円

ここまででオークションが始まってからおよそ2時間半。それでもギャラリーは席を立つこともなくオークションに釘づけ状態。GTマシン接戦の末1700万円で落札。

●1970年 トヨタ2000GT

■予想価格:6500万〜8800万円
■落札価格:7600万円

スタート価格4500万円に会場がふたたびどよめき。世界のオークションでは1億円の落札実績も多いだけにおトクな買い物だったのかもしれません。

●1992年 JUN ボンネビル300ZX

■予想価格:800万〜1100万円
■落札価格:不成立

ソルトレレイクの最高速チャレンジにおいて、421km/hという当時のレコードブレイカーだったマシン。400万円からスタートも不成立に。

●1994年 トップシークレットTS8012V(JZA80改)

■予想価格:800万〜1300万円
■落札価格:900万

OptionやVIDEO OPTIONをにぎわせたセンチュリーV12をツインターボ化し搭載したモンスター・スープラ。650万円からスタートし永田代表が胸に手を当てながら見守るなか900万円にて落札。「高望みしてません」と謙遜しつつもニンマリの結果になりました。

●1990年 日産スカイラインGT-R(BNR32)

■予想価格:750万〜950万円
■落札価格:800万

タイヤも当時モノのRE71がそのまま装着されているように、何も足さない・何も引かない走行2805kmの極上フルノーマル。予想最高値より安いプライスで落札。

●1990年 日産R90CK

■予想価格:1億4800万〜1億9800万円
■落札価格:1億7300万円

今回いちばんの目玉、この落札の瞬間の見たさに残っているギャラリーも多かったと思われる日産のCカー、R90CK。計7台製作された正真正銘のワークスマシン。9000万円スタートに歓声があがり、100万円刻みで競りが続き1億7300万円で落札。ちなみに手数料は売り手・買い手ともに10%かかる仕組み。

●1996年 Datsun 240Z (HLS30)

■予想価格:850万〜1000万円
■落札価格:1200万

純正パーツを使ってメーカー主導で進められたレストアプロジェクト「ヴィンテージZ」のうちの1台。あえてホコリをかぶった状態なのは意味があって、三重県の倉庫で見つかった『バーン(納屋)・ファインド(発見された)』の証明。

●1996年 Datsun 240Z (HLS30)

■予想価格:900万〜1100万円
■落札価格:900万

ボディカラーが異なるだけで、同じ「ヴィンテージZ」でも、落札価格が異なるのが興味深い。クリーニングして乗るよりも、このまま保存するほうが将来的にも価値を保てることだろう。

このほか、リストに存在した1997年 アイディングF512TR SⅢタイプA(予想価格2500万〜3200万円)は実際に会場に運びこまれたものの、基準に達しない部分が見つかったという理由で出品は見送られました。このように、品質を管理するために幾重にもチェックゲートが設けられているというわけです。

オークションの不思議として、どの車両も最初に予想されていた価格と大きく違わない価格で落札されていきました。でもトヨタ2000GTとR32のGT-Rは、世間相場からいえば相当おトクな買い物だったのではないかと思います。また、公開されることでその車両の価値がおおやけのものとなるという副次効果も見逃せません。

数年後にこのオークションの落札価格を振り返ったとき「うわぁ、昔は安く落札できたんだなぁ」と感じるようなら、日本の「コレクタブル・カー」市場が熟成しているモノサシといえるかもしれません。とくにショップが精魂こめたチューニングカーに関しては、これをきっかけに独自の相場が形成されていくことでしょう。そうした価値向上は、きっとマシン作りの励みになるはずです。こんごもさまざまな発展の可能性を秘めているのがBHオークションなのです。

(Kaizee)

【関連リンク】

BHオークション
http://bhauction.jp/






































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Source: clicccar.comクリッカー

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