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【チューニング時代を築いた名車たち -1960年代-】モータリゼーションの発達と共に走り屋によるチューニングが幕を開ける【スカイラインS54B × ポルシェカレラ904GTS】

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目次

モータリゼーションの発達と共に走り屋によるチューニングが幕を開ける

SKYLINE GT【S54B】× PORSCHE CARRERA 904 GTS

1960年代、日本の自動車メーカーの技術水準はまだまだ低く、諸外国の一流自動車メーカーに追いつけ、追い越せを目標に各社が開発を進め技術を一気に高めていた時期。

大衆車が次々とリリースされ「マイカーブーム」という言葉が生まれるほど、爆発的に自家用車が普及していった。

そんな中で、日本のレースシーンの幕開けと言われている「第一回日本グランプリ」が開催されたのが1963年、この時期は本格的な国産スポーツカーはまだ少なく性能も高くなかった。そこで国産勢は大衆車や高級セダンをベースに改造した車両がレーシングカーとしサーキットで争っていた。一方で、海外のメーカーを見ると、本格スポーツカーやレーシンカーグが多数存在しそこには大きな技術や文化の差が存在していた。

市販の国産車を改造して走らせる…そんな流れは、一部レースに参加しないクルマ好きにも伝搬し、アンダーグラウンドな中で、レーシングチューンの亜流としての市販車改造も行われた。この改造こそが、日本のストリートチューンの始まりといって過言ではないだろう。

そんな1960年世代を象徴するマシンとして紹介するのは、スカイラインS54Bとポルシェカレラ904GTS。スカイラインS54Bは国内初と言える市販車エボリューションモデル、ポルシェ904はレースのために開発された当時のロードゴーイングレーシングカー。1965年に鈴鹿サーキットで開催された「第2回日本グランプリ」において日本の自動車メーカーが海外勢に挑み、最後までデッドヒートを繰り広げた逸話で有名な組み合わせだ。

チューニング時代を築いた名車たち -1960年代-

MODEL YEAR 1964〜1968

SKYLINE GT【S54B】

Tuned by スパーク

2ドア化の大胆モディファイ! RB30改エンジンや他車種のサス換装で現代化

もともとレースシーンを想定したエボリューションモデルとして、ノーズを伸ばし6気筒エンジンを搭載したのが2代目スカイラインのGTグレード。

そんなGTシリーズのシャーシを入手したものの、どうも昔から4ドアは肌に合わなくて…(スパーク代表・佐藤さん)という理由で、なんとボディを2ドア化してしまうという大胆モディファイを敢行。

さらに足回りはメンバーやステアリングラックごとS13シルビア用(ストラットタワーまで加工)、リヤはフロアごとS30フェアレディZのものを換装している。これは、サーキット走行まで想定しているので、以降のセットアップやアップグレードの可能性を広げるためとあくまでもチューニング視線での改造が施されている。

そしてエンジンはRB30改3.4LにRB26のツインカムヘッドを組み合わせながら、ウエーバー50φのキャブレターをセットしたNA仕様。点火系に関してはRB26DETTのECUによる。

約1100kgのボディにSタイヤ…まさに“羊の皮をかぶった狼”。現在でも一線級の性能を誇るチューンドに仕上げられている。もちろん、改造車検を取得した公認車両だ。

2ドア化のほかにもメタルワークによるオーバーフェンダー仕様など見所満載。当時認可されていなかったドアミラーも採用し、ノーマルとは比較にならないほどスタイリッシュに。ウインドウはフロント以外はアクリルで軽量化を促進。

エンジンはRB30改3.4L仕様(輸出ブロック+ブライアンクロワー製キット)、ウエーバーのキャブや等長エキマニの組み合わせで400psを発揮する。ミッションは71Cに亀有ワークス製クロスを組み込むが、現在ホリンジャーのシーケンシャルを搭載する準備が進められている。

スペースの確保のために、マスターバックは室内にセットし、ブレーキ&クラッチのリザーブタンクやペダル類はチルトン製のレーシングパーツを採用。ストラッロタワーはかさ上げし、シルビア用のストラットがアッパーが付くようボディ側も加工。ステアリング系統もメンバーごとシルビア用を使う。

フロントドアを延長し、まるで最初からのように自然なデザインで2ドア化。前後メタルワークによるオーバーフェンダーにより、225幅のSタイヤが納められる。リヤサスはフロア・メンバー・デフまで含めS30系フェアレディZからの移植。

MODEL YEAR 1964〜

PORSCHE CARRERA 904 GTS

Tund by ヨシムラオート

時価数億円の幻のレーシングポルシェをステンレスフレームで完全レプリカ

FIAのGT2クラスをターゲットに製作され、1964年にレースデビューしたカレラ904GTS。レーシングカーが高度に進化し始めていた1960年代にポルシェが技術を結集して開発したカレラ904GTSは、まさにまんまストリートを走れるロードゴーイングレーシングカーだった。

今回取材した車両はその精巧なレプリカモデルであり、撮影に協力してくれたヨシムラオート(大阪府大阪市)が輸入販売を行っているものだという。

ステンレスシャーシにポルシェ911(930SC)の6気筒水平対向エンジンと、914用のミッションがファインチューンされて搭載される。約800kgという軽量ボディも武器にして、オーナードライブで岡山国際サーキットを1分43秒台で周回するほどのポテンシャルというから侮れない。

その後のスーパースポーツやツーリングカー(レーシングカー)のデザインに強い影響を与えたというポルシェ904。スポーツカーとして洗練されたデザインは美しいの一言だ。

エンジンはポルシェ911(930SC)の6気筒3Lをハイコンプ、ハイカムなどでファインチューン。実際の904は4気筒2Lだが、6気筒/8気筒の発展モデルも存在する。

ミッションは914のものを流用。ケースはマグネシウムで軽く、プレート補強などがんされている。デフにはOS技研のスーパーロックLSDが組み込まれる。

ステンレス製のカスタムフレームや、レース用のカスタムパーツを使い、動力性能はオリジナル以上に高められている。この車両は車重約800kgだ。

web option編集部

Source: clicccar.comクリッカー

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