全方位へロー&ワイドをアピールする計算尽くしのグラマラスフェンダー
ディスク面がスッポリと隠れてしまうほどの超絶ディープリムに、前後200mmワイドで仕立てたオーバーフェンダー。“ポルシェ911不遇のモデル”とされる996で、世界に1台のカッコ良さの実現を目指してきたのが、走りとスタイルの双方からアプローチするオーナーの畑さんだ。
購入から3年はストックボディのままで走りを楽しんでいたが「GT3エンジン搭載の走れるロー&ワイドスタイル」という究極のカレラを目指して、昨年ついにボディワークへと着手。オンリーワンな1台へと仕上げるべく、リバレル加工(リム交換)したホイール『ハーマンPG3』に合わせて、グラマラスなフェンダーをワンオフした。
ここで注目すべきは、200mmというフェンダーボリュームよりも、全方位へと圧巻のインパクトを放つ計算し尽くされた造形美だろう。まず取り組んだのは、ラジコンボディを使った仕上がりイメージの探求。俯瞰も含めてアングルを問わずに映えるラインやボリュームバランス、ダクト使いなどをハッキリ思い描いた上で、ワンオフカスタムに定評高いボディショップ『リフェクト』にフェンダー製作をオーダーしているのだ。
ちなみに、ホイールのリバレル加工もこだわり尽くし。海外のカスタムリムを使えば奥行き感やサイズコントロールはラクだと分かっていたが、OZレーシングのリムを採用するハーマンPG3のオリジナルを崩したくなかったことから、インナーとアウターの入れ替えを実施。そのままでは仕上がりがやや粗かったインナーリム形状も抜かりなく整えている。
現状でもイベントでアワードを獲得する完成度を誇っているが、フロントバンパーサイドへのカナード追加やロールケージ投入など進化プランはまだまだ尽きない。というのも、畑さんは一気に仕上げるのではなく、進化の過程を楽しみつつ熟成度を高めていくスタンスで取り組んでいるためだ。
カスタム感を打ち出しつつもボディとの一体感へとこだわった作り込みで、世界に1台のカッコ良さへと着実に突き進む996。そんな畑さんの熱き想いは、ボディサイドにあしらったポルシェエンブレムの中から解き放たれて駆け出そうとする馬の姿へと深く強く込められている。
PHOTO:Naotoshi Toshioka TEXT:Junya Murata
フロントから見た際のワイド感を強調したボディキットが多いこともあり、全方位へのワイド感アピールを熟慮。フェンダー後方へスリットダクトを設けることで、200mmワイドのボリュームを積極的に打ち出しつつもスッキリとしたスポーティシルエットへ導いた。
ストックボディでもボリュームがあるリヤは、ターボイメージのダクトをアクセントにあしらいつつ200mmものワイド化を実施。フェンダーだけでなくリヤセクションでしっかり魅せるべく、ハーマンのステップエンドを角度変更してリヤバンパーサイドのGT3カナードのラインとリンクさせているのがポイント。
ダクト類を巧みにあしらって立体感に配慮しても、200mmものワイド化を果たせばアングルによって視界から外れてしまう。そこでスパイスとなっているのが、フェンダートップの形状。ボディへ馴染ませるのではなく頂点からボディへ落とし込んだ形状とすることで、立体感とともにフェンダーラインを引き立てた。
ウイングは997GT3純正をベースに、フェンダーに合わせてワイド化。単純に主翼を横方向へ広げるのではなく、角度をつけることで躍動感を高めてきた。フェンダートップとリンクさせた翼端板位置、リヤのスポーティさを高めるダクトワークもお見事!
ホイール『ハーマンPG3』はリムのインナーとアウターを入れ替えて深リム化。そのホイールに合わせてフェンダーをワンオフ製作しているため、スペーサーなしで最強のマッチングを実現しているワケだ。ガンメタディスク×マットブラックリムの重厚感も全体の完成度に貢献している。なお、リバレル後のホイールサイズはフロント9J×19-60、リヤ11J×19-70となる。
オーナー:畑さん
「もうひとつの趣味ドリラジのボディをカスタムして完成形を思い描いて、リフェクトに何度も足を運んで、リバレル加工したハーマンPG3に合わせた理想通りのワンオフフェンダーを作ってもらいました。斜め45度の低い位置から見上げたワイド&ローなスタイルがお気に入りです!」
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Source: clicccar.comクリッカー