拘りのルックスのなかにロータリーらしさを求めたハイコンプNA仕様!
このFC3Sの注目ポイントは、やはりパワーユニット&エンジンルームだろう。
搭載されているエンジンは13B-Tからターボを取り除き、ポートチューン、ハイコンプローター、多連スロットルなどを組み込んだ良き時代の定番をさらに進化させたハイチューンNAとなっているのだ。
また、魅せるチューニングカーを目指すというだけにエンジンルームの仕上げも徹底。エンジン本体のローターハウジングは外周をポリッシュ化し、鋳鉄製のサイド&インターミディエイトハウジングはゴールドでペイント。そのほかの補機類はブラッアウトしてエンジン本体を引き立たせた上、電動ウォーターポンプ化、ワイヤータック、シェイプドなども行っている。
これらは流行りといえばそれまでかもしれないが、ワザ師が手を凝らした内容だ。
サイレンサーを装備したマフラーから奏でる音は、うまく消音・整音され利き心地のいいロータリーサウンド。軽くアクセルを踏んでクルマを前後させるだけでも、回転の上がり、下がりとも切れが良く研ぎ澄まされたメカニカルノートが心に響く。
一方のフットワークは、スタイルを優先したセットアップとなり、前後とも多くのアーム類を調整式にしているのはもちろんフェンダー内部まで加工して仕上げている。そして、タイヤも国産ハイグレードに拘る。楽しむ程度とは言え、サーキットを走ることも想定し、大型ブレーキを前後に装備するなど抜かりはない。
インテリアはリヤのみにロールゲージを組みスポーティーな雰囲気を演出。シートはマツダスピード製、メーター周辺はスイッチ類までUS仕様でウインカー操作は左側だ。ちなみに、エンジンルームをブラッシュアップする際、無骨すぎると感じた純正のパワーステアリングユニットは取り外し、電動パワステを投入している。
まだ20代だというオーナーの清水さんは免許を取って10年来、最初の愛車としてこのRX-7に乗り続けてきたが、さらに長く乗り続けられて満足しつづけられるスタイルとして、見た目から機能までこの車両のカスタム&チューニングをプロデュースしてきた。
そんな中でNステージの渡辺さんと出会い、メカ的な要素を任せ現在の仕様が整ったという。製作したNステージの渡辺さんも「見た目に自身あり、チューニングもかなり個性的で冴えている」と太鼓判を押す。
ワイド化こそ施しているが、その見た目は超シンプル。しかし、極限的なロワードスタイルは迫力満点で、見ただけで「スッゲー!!」となるクルマ好きが多いであろうことは容易に想像できる。そして近くでよく見ると、細部にUS仕様のパーツを組み込むなどRX-7マニアをうならせるポイントが満載で、こだわりを感じさせるクオリティ。ここまで美しくまとめあげられたFC3Sは、全国を探してもそうはいない。
スペック
■エンジン:13B-T改NA 輸出用高圧縮ローター/Nステージサイドポート加工/レーシングビートインマニ/ワンオフインマニエクステンション/TWMスロットル/Nステージワンオフエキマニ+マフラー/APEXiパワーFC/FD3S用アルミラジエター/HPIオイルクーラー
■ドライブトレイン:エクセディシングル(メタル)/マツダスピードLSD
■フットワーク:テイン車高調/30セルシオ用キャリパー/スーパーナウリンク類/ワンオフリヤアーム
■ホイール:パナG7(F9J-26 R12J-30)
■タイヤ:ポテンザS001(F205/40-17 R255/40-17)
■インテリア:クスコ5点式ロールケージ/輸出用メーター、フード、ウインカー、ライトスイッチ/キッカー4チャンネルアンプ・ウーハー他
■エクステリア:フォーサイトフェンダー/輸出用ダクトレスボンネット/USエアロパーツ多数
取材協力:エヌステージ
(web option編集部)
あわせて読みたい
Source: clicccar.comクリッカー