目に見えないカ所で6500点も変えたという新型メルセデス・ベンツCクラス。まさにビッグマイナーチェンジという内容になっています。
パワーユニット最大の注目は、新技術の「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」と48Vシステムを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様といえるでしょう。
「C 200アバンギャルド」に搭載されるこのマイルドハイブリッドシステムは、1.5Lの直列4気筒ターボ「M264」型エンジンと、先述した「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」、48V電気システムなどを搭載して高性能化、省燃費化が図られた仕様。
エンジン単体でも最高出力184ps/5800-6100rpm、最大トルク280Nm/3000-4000rpmというスペックで、1.6Lを積む「C 180」の156ps/250Nmよりも強化されています。
「C 200アバンギャルド」向けの「M264」型は、ツインストロークターボ、可変バルブタイミング機構の「カムトロニック」が搭載されているほか、メルセデスが特許を取得している「CONICSHAPE加工」を採用することで、エンジン内部の摩擦抵抗(フリクションロス)低減が図られています。
なお、JC08モード燃費は、「C 180」の14.3km/Lに対して13.6km/Lと「C 200アバンギャルド」の方が若干ダウンしています。
ベルトを介してクランクシャフトとつながる「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」は、スターターとジェネレーターを兼ねている技術で、欧州車を中心に今後増えていく技術と言われています。
システムは、48Vシステムも加わり、回生ブレーキなどにより生まれた(回収)された電気を容量1kWhのリチウムイオン電池に蓄電。必要に応じて14ps(10kW)/160Nmを発生(発揮)し、動力源の補助として使われます。
なお、ストロングハイブリッドのようにEV走行には対応しないため、ハイブリッドらしさは少し希薄です。
その作動イメージは、スーパーチャージャーとターボのダブル過給器のようなものともいえ、ターボの過給が始まるまで、モーターがアシスト。さらに、シフト時にもアシストを行うことで、スムーズな変速を実現するというもの。実際の走りっぷりも、48V BSGのアシストにより滑らかで、「C 180」よりもスペックが示すとおり、全域にわたって力強く感じます。極低速域からアクセルの踏み方にスムーズに反応してくれます。
変速フィールは、Cクラス全車に組み合わされる電子制御式ATの「9Gトロニック」が元から高い仕上がりを見せていることもあり、平地での走行や定常走行では、際立ってスムーズになったとまでは分かりません。
それでも、低速域からの加速、一度ギヤを落としてから再加速するといったシーンでは、その恩恵を実感しやすくなっています。今回の試乗ステージである軽井沢周辺には平地だけでなく山道も多く、ワインディングから高速道路まで気持ちよく走れました。「C 200 アバンギャルド」は、新型Cクラスの本命グレードの1台といえそうです。
(文/写真 塚田勝弘)
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