フルモデルチェンジ、マイナーチェンジ時を問わず新しいモデルは、一般的には高めのグレードから売れていく傾向があります。Cクラスはおそらく「C 200」という中間モデルが主流であるはずですが、予算などからベーシックな「C 180」をチョイスする方も多いでしょう。
セダン、ステーションワゴン、クーペ(今回の試乗車はC 180 クーペ スポーツ/本体価格546万円)、カブリオレともに「C 180」が積むのは、1.6Lの直列4気筒直噴ターボ。「M274」型と呼ばれるエンジンは、最高出力156ps/5300rpm、最大トルク250Nm/1200-4000rpmで、ほかのエンジンと同じように、9G-TRONICと呼ばれるトルクコンバーター付の9ATが組み合わされます。
試乗車の「C 180 スポーツクーペ」は、標準はフロント225/45R18、リヤ245/40R18というサイズですが、試乗車はオプションで、コンチスポーツコンタクトのランフラットタイヤ(SSR)のフロント225/40R19、リヤ255/35R19サイズを履いていました。
19インチのランフラットタイヤは街乗りから高速道路まで全体的に引き締まった乗り味で、路面が荒れていると揺すぶられる動きも気になります。高速道路であればフラットライド感が増していきますが、タイヤは乗り心地の面ではオーバースペックの感がありあり。
なお、セダンの「C 180」は16インチ、「C 180 アバンギャルド」と「C 200」系は、17インチが標準(AMGライン装着車は18インチ)。標準装着サイズであれば、もう少し当たりがマイルドなのかもしれません。
今回のマイナーチェンジを機に日本向けは国内の道路環境(他国に比べてパンクなどのリスクが低い)を配慮して、ランフラットタイヤを廃止(ただしセダン/ワゴンのC 180、今回の試乗車であるクーペ/カブリオレのC 180 スポーツの19インチを除く)。
さらに「C 180 クーペ スポーツ」は、スポーツサスペンションも標準化されていることもあり(電子制御ダンパーはオプション)、より引き締まった足まわりになっています。
一方でハンドリングは非常に正確で、高い直進安定性に加えて、旋回時はスポーツカーのようにピタリと舵角が決まります。クルマの動き、高いボディコントロール性はスポーツの名に恥じない仕上がりで、ダイレクト感のあるフットワークはスポーティモデルそのもの。
ただし、電子制御式9ATのスムーズな変速をもってしても動力性能は「並」といったところ。街中から郊外路、高速道路までパワー的には不足はほとんど感じさせませんが、決して速くはありませんので、パワー感を求めるのならやはり1.5Lエンジン+48V BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)搭載車の「C 200」以上を選択するのがベターでしょう。
(文/写真 塚田勝弘)
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Source: clicccar.comクリッカー