2018年6月、WEC(世界耐久選手権)第2戦ル・マン24時間レースで悲願の総合優勝を果たしたトヨタ。
その凱旋レースとなるWEC第4戦富士6時間レースが、10月12日(金)から富士スピードウェイで開催されています。レースに先駆け、お台場MEGA WEBで約2000人の応募者の中から抽選で選ばれた超ラッキーな200人のファンを迎え「TOYOTA GAZOO Racing WEC Fan Meeting」が行われました。
イベントがスタートすると、なんと会場の後方からドライバーが登場しファンの間を歩いてきました! 突然のサプライズに全員大興奮で、すでに会場のボルテージは最高潮!!
トークセッションでは、ル・マン24時間レースの話題に。2012年から挑戦し続け、あと一歩の所まで行くもなかなか勝つことができなかった中嶋一貴選手は心境を語りました。
「このチームでずっと勝ちたいと思ってやってきました。2016年のように本当に手が届く所でトラブルがあって勝利をとりこぼしてきたこともあったので、僕自身だけでなくチームにとっても凄く価値のある勝利だったと思います。勝った後、サーキットに行く度に『おめでとう』とたくさん声をかけてもらいました。支えてくれたチーム、そして応援してくれたファンの皆さんのためにも、勝つことができてほっとしましたね」
最終スティントを担当した中嶋選手と小林可夢偉選手。現地に訪れていたというイベントのスペシャルゲスト、脇阪寿一さんから「走る前の気持ちはどうだった?」と聞かれると、小林選手から意外な答えが返ってきました。
「(脇阪)寿一さんが一番緊張してたでしょ? ずっと僕らの後ろでウロウロしてて。それを見て逆に緊張しましたよ(笑)」
これには中嶋選手も激しく同意。会場から笑いが起こりました。
ル・マンの裏話はないかと聞かれ、小林選手はまるで少年のよう目を輝かせながら話してくれました。
「ル・マンの裏話と言えば、僕らグランツーリスモをサーキットに持っていっているんですけど、空いている時間ずーっとやっていました。トヨタTS050 HYBRIDがほしいからって、みんなで(ゲーム内の)スクールに一生懸命通ってお金を稼いで、ル・マンで手に入れました。面白いのが、リザーブドライバーのアンソニー・デビッドソンが僕らが走っている間もずっと練習してて。セッションが終わって見に行くと、めっちゃタイム上がってるんですよ(笑)」
イベント後半には、ドライバー達がはまっているグランツーリスモ対決が待っています。小林選手によると「断トツで速いのは7号車と8号車に一人ずついる」そうです。一体誰に勝利の女神が微笑むのか……、こちらの様子は後程お伝えしますのでお楽しみに!
今シーズンからトヨタのドライバーとしてWECにフル参戦しているフェルナンド・アロンソ選手は、F1とWECの違いを以下のように語りました。
「チーム内の競争も激しいのですが、耐久レースなので皆で一緒に戦わなければいけない。そのチームスピリットというのは、私にとって良い環境だと思います。限界ギリギリまで攻めた感覚はF1に似ているところがあるのですが、ただTS050のハイブリッドシステム、4輪駆動で1000馬力を超えるシステム馬力、このパワフルさは驚くべきクルマだと思います」
そして話は富士6時間レースへ。小林選手、中嶋選手によると予選と決勝でおススメ観戦ポイントが変わってくるそうです。
「予選の時はスタートフィニッシュラインで最高速度を出したいから、最終コーナー出口からブーストすると途中でなくなっちゃうんですよ。だから途中までブーストなしで走って、途中からブーストを使うんです。グランドスタンドの最終コーナー側の一番端くらいから見ると、加速を体感できるのではないかと思います」(小林可夢偉選手)
「決勝はヘアピンとかも面白いと思います。他のクラスのマシンとの対比がよく見れるので。トヨペット100Rコーナーはだいぶ速いですよ」(中嶋一貴選手)
ファンからの質問コーナーではアロンソ選手とセバスチャン・ブエミ選手に「F1日本GPが終わってから今日まで何をして過ごしていましたか?」という質問があり、アロンソ選手は「日曜の夜に東京に戻ってきて、月曜日ちょっと休んだ後はセバスチャン(ブエミ)と週末に向けてトレーニングをしていました」と回答したのですが、ブエミ選手からは驚きの言葉が返ってきました。
「フェルナンド(アロンソ)と週末に向けて準備する中で、床屋に行きました。ただ日本語がしゃべれないので、かなり苦労しました。でも今のヘアスタイルは気に入っています」
なぜあえて日本で散髪したのでしょうか。気になる〜!でも、とってもお似合いでしたよ。
さぁ、お待ちかねのグランツーリスモ対決の時間がやってきました。
まずは予選。富士スピードウェイを「トヨタGRスープラレーシングコンセプト」で走り、スターティンググリッドを決めます。
予選にも関わらずドライバー達は超真剣で、脇阪さんが話しかけても返答しないくらいの集中っぷりです(笑)。
見事ポールポジションを獲得したのは、最後尾スタートだったアロンソ選手(スタートの順番はじゃんけんで決めたそうです)!
「とても良いレースでした。スタート直後の1コーナーで皆がクラッシュしてくれたので、最後尾スタートから上手く順位を上げることができました」と感想を述べると司会者から「静かにレースをしていましたね」と言われ、「バトルをしていないからね。多分誰かとバトルしていたら叫んでいたと思います」とニヤリ。
そして決勝の地は、ル・マン24時間レースが行われた想い出深いサルト・サーキット!
しかも全員トヨタTS050 HYBRIDをドライブするというから面白い!! 6台のマシンが一斉に走る姿は、ゲームの世界ながら圧巻でした。
決勝ではレースもさらにヒートアップ!
今まで以上に真剣な顔つきなっていましたが、どこか楽しそうです。どのドライバーも、オーバーテイクが成功した後のドヤ顔が最高でした(笑)。
見事優勝したのは予選に続き、アロンソ選手! 相手の攻撃をかわす美しいブロックはさすがでした。
レース終了後、イベント中という事を忘れたかのようにゲーム談笑を始めるドライバー達。「こらこら〜!」とつっこみたくなりましたが、チームワークが抜群ということにしましょう(笑)。
2位マイク・コンウェイ選手、3位小林選手、4位中嶋選手、5位ブエミ選手、6位ホセ・マリア・ロペス選手となったのですが、最下位のロペス選手には「モリゾウ」こと豊田章男社長から「これを着てパワーを出して!」とモリゾウTシャツがプレゼントされ、ロペス選手に笑顔が戻ります。
そして最後にドライバー一人一人から、ファンの皆さんにメッセージが送られました。
「今日は楽しかったです。この週末は良いレースをお見せしたいと思いますので、ぜひ富士に来て応援よろしくお願いします」(7号車/マイク・コンウェイ選手)
「グランツーリスモ対決、もう一回やりたいですね。この状態で富士に行っていいのかと(笑)。今年のWECはライバルのポルシェがいないので仲間達との戦いになるんですけれども、この戦いのほうが実はチームの中では凄く緊張感があって。難しい戦いをしています。ぜひ皆さんに見てもらいたいなと思うので、富士でお待ちしております」(7号車/小林可夢偉選手)
「いつも応援ありがとう。今日は本当に楽しい時間でした。可夢偉が言ったように、もう一回ここでゲームをやり直したいです(笑)。明日から富士に移動してこの週末頑張りますので、皆さん応援よろしくお願いします」(7号車/ホセ・マリア・ロペス選手)
「今日は来てくれてありがとう。富士で会えることを楽しみにしています。そこではもっと激しいバトルをお見せできると思います」(8号車/セバスチャン・ブエミ選手)
「来年までにグランツーリスモをもう少し練習しようかなと思いましたけど(笑)、今週末の富士では2台のガチンコバトルをお見せしたいと思います。天気も去年よりは良さそうなので、ぜひ富士スピードウェイに遊びにきてください。よろしくお願いします」(8号車/中嶋一貴選手)
「今日は来てくれてありがとう。チームメイトが言っているように今週末富士に来て、応援してください。トヨタが1、2フィニッシュできるように頑張ります。日本に来た時はホテルからサーキットの間でも、いろんなファンの方に囲まれて本当に楽しい時間を過ごしています。いつも応援ありがとうございます」(8号車/フェルナンド・アロンソ選手)
トークショーはもちろんですが、グランツーリスモ対決でドライバーの素顔が垣間見えた「TOYOTA GAZOO Racing WEC Fan Meeting」。会場にいた皆さん、最高の思い出になったのではないでしょうか。
ドライバー達もきっとたくさんのパワーをもらったはず。このパワーを武器にして、富士スピードウェイで1-2フィニッシュを見せてくれると信じています!
(yuri)
【関連リンク】
TOYOTA GAZOO Racing WEC公式ホームページ
https://toyotagazooracing.com/jp/wec/
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Source: clicccar.comクリッカー