東京・お台場の臨海副都心の特設会場を舞台に、東京モーターフェス2018が開幕しました。
初日となる10月6日には、オープニングイベントとして、主催の日本自動車工業会(自工会)・会長である豊田章男さんと、自工会アンバサダーのマツコ・デラックスさんによる「豊田会長×マツコ・デラックスのスペシャルトークショー」が開催されたのです。
トークショーに先立ち、バブリーダンスで知られる登美丘高校ダンス部OGによるパフォーマンス、東京モーターフェス総合プロデューサーであるピストン西沢さんによる前説(!)、そして10月とは思えない日差しに観客席も熱く盛り上がります。
トヨタのテレビCMに出演したことをきっかけにトヨタ車を購入したという義理堅いマツコ・デラックスさんと自工会の会長であり、トヨタ自動車のトップでもある豊田章男さんのトーク。
豊田さんが「これまで消費税が上がるごとに国内の自動車市場は縮小している。このままでは中小企業が潰れてしまう」と消費税増に対する危機感を示すと同時に、マツコ・デラックスさんと声を合わせて「自動車諸税の負担が大きすぎる」とアピール。
東京モーターフェスの会場内には自動車諸税の減税を訴えるブースもありましたが、維持費の軽減がユーザーのためになるといった真面目な話からトークショーは始まります。
その後、マツコ・デラックスさんが父親の日産・セフィーロ(初代)をハイドロプレーニングで廃車にしてしまったエピソードやトヨタ・ソアラ(2代目)が欲しかったという話など、いかにもモーターフェスらしいムードでトークショーは盛り上がります。
しかし、お約束の内容で終わるような「豊田会長×マツコ・デラックスのスペシャルトークショー」でありませんでした。
クルマの未来などがテーマになったとき、豊田さんが突然、スペシャルゲストをトークショーのステージにいざないます。
その人こそ、先日トヨタ自動車との提携を発表したばかりのソフトバンク・孫正義さんでした。
いま乗りたいクルマという質問に対して「ビーチを走れるようなクルマ(バギー)に乗ってみたい」という孫さん。その勢いにつられてか、豊田さんは「ポルシェがほしい」とポツリ。意外な答えに観客は大きなリアクションで応えます。
そして、夢や未来の話になると、孫さんは「情報革命で人を幸せにしたい。誰かの笑顔のために動きたい」と大きなビジョンを語ります。こうした思いを強くしたのは20代の頃に長期入院したのがきっかけといいますが、そうしたエピソードから「絶望の裏側に夢がある」と考えるようになったといいます。
ところで、ソフトバンクとトヨタ自動車が協力していくという発表について、マツコ・デラックスさんは「水と油みたい」と表現します。それに対して豊田さんは「ドレッシングも水と油からでてきています。水と油の融合により新しいモノが生まれるのです」と答えるなど、両社が化学反応することで、新しい世界が生まれることを期待している様子。
それにしても、日本国内における時価総額ナンバーワン企業のトヨタ自動車と、ナンバーツーのソフトバンクのリーダーが、こうしてオープンスペースでのトークショーを気さくに行なってしまうというのは驚き。しかし、こうしたフットワークの軽さがあるからこそ、両社が生み出すであろう新しい価値に期待が高まるというものです。
内外の二輪・四輪、そして未来のモビリティやモータースポーツが肌で感じられる東京モーターフェス2018は10月8日まで開催。入場無料でまる1日楽しめるイベントです。
(写真と文 山本晋也)
【関連リンク】
東京モーターフェス2018
https://tmfes.com
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Source: clicccar.comクリッカー