大気汚染問題で中国政府が推進する新エネルギー車(NEV)政策などを背景に、クルマの電動化が世界的な潮流になっており、自動車各社がリチウムイオン電池を使ったEV開発を進めていますが、航続距離や充電時間の長さなど、実用性の面ではまだ課題を残しているようです。
そうしたなか、トヨタ自動車では2020年代前半を目処にリチウムイオン電池に代わる「全固体電池」を実用化、既存のガソリン車と遜色無い使用性の実現を目指しています。
同社ではEVの原動力となる「電池」について、2011年に東京工業大学と共同で「全固体電池」を開発。日経新聞によると2016年時点でリチウムイオン電池比でイオン伝導率が約2倍、出力が3倍以上に達しているそうで、多くの電力が必要となる発進時や加速時などに威力を発揮するとしています。
全固体電池は正極、負極、電解質が全て固体で、液漏れの心配が無く安全性が高いとされており、航続距離に直結する大容量化にも向くなど、潜在性能の高さが特徴。
産経新聞によると、ホンダや日産自動車においても走行距離の拡大、充電時間の大幅短縮を可能にする「全固体電池」の開発に踏み切ったそうで、日産では2020年代後半の実用化を目指しているそうです。
トヨタでは現在200人体制で開発を急いでおり、12月13日には「全固体電池」開発などの協業でパナソニックと合意。ホンダも他社との提携を検討しているそうで、今後業界を超えた協業が活発化、「走り」の面でも期待できるEVが実現する可能性が高まっているようです。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA、NIKKEI)
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