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2018新型Ninja400/250 vs ライバル ツーリングテストと総括

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0-1000m加速にサーキットアタックと、限界性能ばかりをレポートしてきたが、本来のステージはやはり一般公道だろう。もちろん、そっちの検証も抜かりなし。高速+市街地でしっかりテストしてきたぞ! ※ヤングマシン2018年4月号(2月24日発売)より

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目次

新ニンジャは街乗り~ツーリングも光る

JARIと筑波サーキットの各テスト現場へ赴く際は、各マシンを乗り比べながら一般道+高速道の使い勝手もチェックしてみた。新ニンジャ250はSS性能を高めたとはいえ、ハンドルが低いわけではなく、ライディングポジション的には街乗り~ツーリングでも違和感のない設定。パワーモードを持たない新ニンジャはスロットルレスポンスも開け始めはCBR250RRのスポーツ+モードのような鋭さを出さず、割と扱いやすいものとしている。サスの動きもしなやかでゴツゴツ感はない。これはYZF-R25も同じような方向性で、フルカウルのカッコよさに憧れて初めてバイクに触れたユーザーが、購入後に普段使いして良し、旅に目覚めても良し、サーキットにハマるも良しと、自由に選択できるエントリークラスにふさわしいキャラクターとなっていた。

そもそもニンジャ250は旧型が同様のキャラクターで、その上を狙ってきたのがR25。今回、新ニンジャが再び基本コンセプトを変えずに、走りもパワーも使い勝手もさらにその上を狙っているわけで、切磋琢磨しながら正常進化の道を歩んでいる。新ニンジャのスゴイところは、ここにパワーに勝る400を加えてきたことだろう。街中での使い勝手は250そのままに、高速道路ではワンクラス上の余裕をもたらしてくれる。もっとも、追う立場となったR25&R3も新ニンジャにまだまだ負けない魅力を持つ。それは非常に滑らかで角の取れた爆発フィーリングで、軽やかに回転してくれるエンジンが気持ちいい。新ニンジャも旧型より滑らかになったとはいえ、そこの部分はカワサキっぽいというか少々ゴリッとした感じとなっていた。Rシリーズはニンジャよりちょっと柔らかめな足まわりや、ややコンパクトな車格も、街中を中心に使いやすく感じる場面があったのも印象的だ。ただ、R3と新ニンジャ400を高速道路で比べると、排気量の違いから絶対的な速さや余裕の面で新ニンジャの方に分があるのだが、それでも巡航領域+αまでは、320㏄のR3も思った以上に負けない走りをしてくれるのには驚いた。

そうして見たとき、やはり別格なのがCBR250RRだ。街中用にコンフォートモードはあるものの、前傾したライディングポジションはサーキット方向に強く振った印象で、乗り比べると新ニンジャとR25の扱いやすさを実感する。高速道路でも速さとパンチ力による楽しさを抜群に感じさせてはくれるものの、遠くを目指すほど先の2台よりも疲れが出てしまうだろう。

CBR400Rと旧ニンジャ400については、250と共通車体の新ニンジャ400&R3に対し、車格の大きさから来るどっしりとした安定感が印象的。したがって街中での扱いは他の6台ほど軽快にはいかないが、高速クルーズでのラクチン具合については排気量からくる余裕も相まって今回の8台の中でも1・2位を争う。しかもCBRはショックやシートの吸収性が良くて腰が疲れないのも二重丸。旧ニンジャ400はネイキッドばりのアップハンドルによるライディングポジションの恩恵が言わずもがなだ。ロングツーリングがメインの移動ツールとして考えた場合、この2台は非常に優秀だと言えよう。

ラインナップは0-1000m、サーキットテストの時と同じ。ホンダ、ヤマハにカワサキは新旧型を用意した。テスターは先頭を走る丸山浩さん。

「取り回しやすさ」は結構違うぞ!

250クラスの取りまわし比較は総じて軽量で決定的な違いはないのだが、400クラスとなると話は別。250と共通車体を持ち、車重も1㎏しか違わない新ニンジャ400は取り回しがラクチン。ハンドルの高さも適度なところにあり身体から離れないので押し引きも簡単だ。これはYZF-R3にも同じことが言える。CBR400Rや旧ニンジャ400も高めのハンドルなので辛すぎるほどではないが、車重面で重さを感じてしまう。

400でも新型ニンジャはラク。

【総括】250クラス

0-1000m加速、サーキットタイム計測、街中~高速道路上の体感インプレッションと、数々のテストを通した丸山浩による新ニンジャ&ライバルたちの採点は下記のとおりだ。

今回のテストで新ニンジャ250について分かったのは、スタイルこそよりレーシーになって精悍さを増したが、その中身はけっしてCBR250RRのような別格路線になることはなく、旧ニンジャ250がもたらした街乗りからツーリング、そしてスポーツ走行へと「何にでも使える」世界観をそのままグレードアップしたモデルになっていたということ。確かにパワーや速さといった極限性能ではCBRに勝つことはできなかった。しかし、価格的に近いところにあるYZF-R25に対してはその上を行くようにきっちりと作り込んであり、それが数値として表れていた。あくまで250というエントリーユーザーが多いこのクラスにあって「手の届く価格範囲で」「フルカウルでカッコよく」「バランスのいいマシン」を届ける。そして「買った後にこんなはずじゃと後悔させず何にでも使える」。このマシンには、これからのライダーやバイクファンを育てていこうというカワサキの目指しているところが実に明確に表れていたと言えるだろう。

その点、各メーカーの250SSが一斉に並んだ店頭で13万円近く高くても「どうせ買うなら」とCBRの方に手が出せる人は、既にある程度バイク経験があり、その性能の意味を分かっている人が多いのではないだろうかというのが丸山浩と神永暁の意見だ。

新ニンジャを軸とした場合、R25はとても近いところにいるがそのカバー範囲は90%ほど。旧ニンジャはツーリング方向へ、CBRはサーキット方向に向いていた。

【総括】400クラス

そうして見たとき、あらためて400としての存在意義を再評価させてくれたのが新ニンジャ400だ。「もともと大型二輪免許が限定解除だった時代は400㏄が自分たちが乗れる事実上のトップクラス。そこで一番速くてカッコいいマシンに皆あこがれを抱いていた。それが時代が変わり、400のラインナップが薄くなってしまったんだけど、普通2輪免許を取ってバイクに乗り始めたばかりの若いユーザーには今も昔も変わらない。そこに250の扱いやすさと上をいく速さ、そしてフルカウルのSSっぽいカッコよさを持つ新400は、車検ありのハンデを超えた魅力を放っている。これからのライダーたちのあこがれとなるにふさわしいモデルだ」(丸山)。新ニンジャの登場でさらに人気となりそうなミドルクラス。やがて訪れるであろうYZF-Rシリーズの巻き返しにも期待してお楽しみは尽きないぞ。

カバー範囲はどれも同じ面積だが個性はバラバラ。新ニンジャ400も250同様のツーリング性能を持つが、ライバルがその上を行っていた。

【採点】250クラス

【新Ninja250 62.964〜64.044万円】250に求められるマルチな性能を、バランスそのまま全体的にさらに1つ上へと引き上げた。R25との価格差もABS車どうしで約2万円高に抑えており、コストパフォーマンスも満足だ。
【CBR250RR 75.6〜82.836万円】価格帯が一歩抜けて高価なCBRは、そのぶん性能面でも別格。エンジン・車体ともサーキット走行を前提としたその作りは、絶対的な速さを求めるコアなライダーを満足させる。
【YZF-R25 56.7〜61.02万円】全体的なバランスと滑らかなフィーリングに秀でていたR25こそが、新ニンジャ250が狙う真のライバル。この2台はとても性格が近かった。ややコンパクトなのが扱いやすさで優る。
【旧Ninja250 55.35〜64.152万円】「何にでも使えるフルカウル250」を生み出した旧ニンジャ。各性能では後発に超えられてしまったが、バランスの良さは健在。ちなみに「ハンドリング」の9点はラジアルを履くKRT仕様の評価。

【採点】400クラス

【新Ninja400 69.984〜71.064万円】ニーゴーの軽さ&扱いやすさと400のパワー&速さがバランス高くまとめてあって、これからの400クラスの顔になれる可能性を持っていた。しかも旧400のABS車より安くなっている!
【CBR400R 69.984〜78.3万円】新ニンジャよりひと回り以上大柄な車格とその走りは、長距離におけるスポーツツアラーとしてその真価を発揮する。移動中の快適性では今回の中でトップであった。
【YZF-R3 64.26万円】400クラス勢の中でパワーでは排気量的に不利だったが、250共通のバランスの良さで扱いやすさやスポーツ性能で長けている。街〜ツーリング領域ではコスパ感が非常に高かった。
【旧Ninja400 66.852〜75.168万円】650譲りの大柄ボディはクラスを超えた存在感を放っていた。アップハンドルやマイルドなエンジンフィーリングと車重からくるその安定感でツーリングユースが似合っていた。

撮影:真弓悟史
テスター:丸山浩(WITH ME)
まとめ:宮田健一
「2018新型Ninja400/250 vs ライバル 0-1000m全開加速テスト」記事はこちら
「2018新型Ninja400/250 vs ライバル サーキット全開テスト」記事はこちら

Source: WEBヤングマシン

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