大ヒットのZ900RSに象徴されるように、ネオクラシックブームがますます隆盛を迎えている。そんな中、往年の名車=カタナが復活するとの噂が現実味を帯びてきた。新情報を元に、「伝家の宝刀」が抜かれる可能性を探った! ※ヤングマシン2018年8月号(6月23日発売)より
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【ケース1】スタンダードNKをネオクラシック仕様に?!
Z900RS、CB1100、XSR900と往年の名車をモチーフにしたモデルが続々と復活を果たしている。中でもZ1をイメージしたZ900RSは、近年希に見るヒット作となった。このブームに沈黙を守っているのがスズキ。ライダーとしては、スズキが誇る不朽の名車=GSX1100Sカタナの復活を期待せずにはいられない。本誌は以前から復活の目を探ってきたが、昨秋のミラノショーに展示されたGSX-S1000のカスタム車「カタナ3.0」が大きな話題に。これが呼び水となり、本誌6月号で報じたように「スズキ社内で企画案として動き出した」との噂をキャッチ。復活が現実味を帯びてきた。
今回、さらなる補強材料として「商標」の存在が明らかになった。スズキが日米欧で今年3〜4月にかけて、「KATANA」の商標を出願。これらはグッズへの使用を目的とした申請だが、アメリカでは他に「車両」としても商標出願されている。同国の商標は、「使用主義」に基づき、3年以内に使用しないと効力がなくなる。つまり’21年までに、カタナの名を冠したバイクが登場する可能性があるのだ。
気になるのは新生カタナの詳細だが、ベース車には2つのケースが想定できるだろう。まず第一はGSX-Sベースの「カタナ3.0路線」。事実、さる信頼できる情報筋から「ほぼカタナ3.0そのままに開発が進行中」との話が舞い込んできた。ハイパーネイキッドをネオクラシックにする手法は、既にヤマハとカワサキが実践しており、かなり現実味があると言えよう。
’18年春にグッズ関連の商標も申請済み
ナント日米欧で、スズキが一斉に「KATANA」の商標登録を出願。日本では3月12日、欧米では4月4日に申請された。用途は「キーホルダー、記念カップ、身飾品、時計、衣服」など。尚、車両としての商標は、既に日本では’84年、欧州では’15年に取得済み。さらに今年2月、米国でも出願された。米国では、原則的に商標は3年以内使用することが前提。これらの動きが意味するものは……?
【ケース2】最新GSX-Rベースの神カタナが来るのか?!
’81年にデビューした元祖カタナは、並み居るライバルを抑え、世界最速機として君臨。それだけに最新最強のメカニズムが似合う、と本誌は考えている。そこで2月号と6月号では、スズキが誇る最速スーパースポーツ=現行GSX-R1000Rをベース車に提案してきた。これがケース2となる。
ところが、これに近いマシンが現実に登場してしまったのだ。5月に行われた草レースの祭典=テイストオブツクバに、’16R1000のエンジンをカタナベースの鉄フレームに搭載したレーサーが出現。外装やフォルムも、往年のカタナを忠実に再現している。これは、全日本トップチームの一つで、GSX-R1000などで参戦するチームカガヤマが作製したマシン。元スズキワークスの加賀山就臣選手が駆り、筑波サーキットで58秒台をマーク。鉄フレームながら、スーパースポーツ並みの驚速タイムを叩き出したのだ。先代R1000のL5系エンジンがファクトリーに余っており、偶然カタナのフレームが転がっていたことから、カタナ好きの加賀山選手がテイスト参戦を思いついたのがキッカケという。――とはいえ、カタナ3.0以降、復活の機運が高まっている中、このスーパーカタナの参戦……。偶然にしてはタイミングがよすぎるかも知れない。
ともあれ、本誌が推すのはケース2だが、無論どちらでも大歓迎。本誌の予想登場時期は、ユーロ5が適用開始となり、スズキ100周年を迎える’20年。ならば、’18〜’19年に発表があっても不思議ではないが……果たして?
【発端】KATANA3.0の提案がスズキに火をつけた?!
昨年11月のミラノショーに電撃出品されたカタナ3.0 。現行GSX-S1000をベースに、ワンオフのアッパーカウルやタンク、シートを搭載したカスタムマシンだ。デザインと細部の完成度が高く、今にも市販できそうなクオリティだが、量産化の予定はない。ただし、あまりの反響ぶりに、スズキ社内にも大きなインパクトを与えた模様。その結果、「新生カタナの企画案が動き出した」との噂だ。
ニュース提供:ヤングマシン2018年8月号(6月24日発売)
Source: WEBヤングマシン