カローラの新しいモデルとして5ドアハッチバックスタイルの「カローラスポーツ」が追加されました。事前試乗の際は「カローラハッチバック(仮名)」として乗ったモデルです。このカローラスポーツ、実質的にはオーリスの後継車、つまりフルモデルチェンジとなります。
カローラスポーツに搭載されるパワーユニットは1.2リットルの直列4気筒ターボと1.8リットル直列4気筒+モーターのハイブリッドの2種です。組み合わされるミッションはいずれもCVTとなります。
1.2リットルターボエンジンの最高出力は116馬力、発生回転数は5200〜5600回転です。このエンジンがなかなか面白いのです。116馬力という一見力不足に感じるかもしれませんが、これが使い切るという感覚にあふれていて非常に若々しいのです。持てる力をすべて出し切りながら一生懸命と走り、それでいてどでかいパワーを出し抜いてしまうような可能性はまさに若々しいクルマです。
ハイブリッドはエンジンが98馬力、モーターが72馬力の出力で、1.2ターボのようなキビキビしたエンジン特性ではありません。コンパクトなハッチバックをゆったりと乗りたい、という方にはマッチングするでしょう。
足まわりはよく動いてグリップしていくタイプです。フロントのサスペンションはストラット、リヤはダブルウィッシュボーンとなります。ちょっと前まで、FF車のリヤサスはトーションバーに代表される固定式が主流でしたが、ここにきてリヤサスへの独立式サスペンションの採用例が増えてきたように感じます。
リヤサスの独立化はプラットフォームの進化が大きな理由だと思いますが、リヤを独立懸架としたことによってよく動きつつグリップするリヤタイヤを手に入れています。前後ともによく動くことで、乗り心地はよくなり、プラットフォームの進化でリヤがロールしてもしっかりと安定する剛性を確保しました。
さらに、今回はリニアソレノイド式AVSと呼ばれる可変ダンパーを用いたことで、適正な減衰力が発生し路面を確実につかんでいきます。
発売時はCVT仕様のみが発表されていますが、富士スピードウェイのショートサーキットで事前試乗を行ったときは、オートブリッピング機構を備えるマニュアルミッション・iMTもラインアップされており、8月2日に追加されています。
このクルマの性格を考えたら、ぜひともマニュアルミッションは欲しいところです。1.2リットルのCVTにはマニュアルモードを備えますが、それじゃあやっぱり物足りないでしょう。
今回、カローラスポーツはクラウンと同時に発表されました。この2車が同時に発表されたのには大きな意味があります。この2車には共通する装備が採用されました。それはコネクティッド関連の装備です。
カローラスポーツにはDCMと呼ばれる車載通信機が全車標準装備され、常時Tコネクトサービスに繋がっている状態となります。Tコネクトサービスの利用料金は3年間無料ということです。Tコネクトサービスでは、警告灯点灯時のアドバイスを受けられたりするほか、万が一の事故時にオペレーターが警察や消防に連絡し救急車やドクターヘリの手配をしたりするヘルプネットの利用もできます。さらに、オイル交換や定期点検などのサービス関連の情報も提供されます。
ただ、スマホがあれば時計は不要というのが今の若者、クルマにこの装備がついたことが購入のきっかけになるか? 結果は3〜4年後、無料期間が終わったころにわかるかもしれません。
(文・写真:諸星陽一)
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Source: clicccar.comクリッカー