昨年9月にドイツで開催されたフランクフルト国際自動車ショーに、1台の日本製スポーツEVが出展されました。そのクルマの名は「owl(アウル)」。
同車を開発したのは大阪市を拠点にエンジニアリング・アウトソーシングを手掛ける「ASPARK」(アスパーク)で、本年2月に0-100km/h加速2.0秒を切る「1秒89」の記録を打ち立てるなど、世界最速のEVとして注目を集めました。
「ASPARK」を率いる吉田真教社長は京都大学大学院卒業後、「人が成長できる場を整えたい」という思いから、大手人材派遣会社を経て2005年に同社を設立。日経新聞によると、この強い思いは今も変わっていないそうで、ものづくりを担う人材開発に軸足を置き、自動車や航空機メーカーなどに多数の社員を送り込んでいるそうです。
プロジェクトが動き始めたのは2008年頃で、2012年に社内でアイデアを募り、公道走行が可能な「0-100km/h加速」で一番のEV開発を目指すことに。
既製部品を活用しつつ、ロス無く路面に出力を伝えるにあたり、試行錯誤を重ねたそうで、モーター出力制御用のソフトウエア開発を含め、他の車両開発メーカーや海外部品メーカー等に協力を仰ぎながら、約4年で完成に漕ぎ着けたそうです。
試作車が完成後、フランクフルト国際自動車ショーに350万ユーロの価格をつけて出展、市場の反応を見たところ、10台近くの引き合いがあったことから、本年10月のパリ国際自動車ショーで富裕層をターゲットに正式に受注を始めるそうで、2019年度末を目処に50台を販売したい考えとか。
エンジニアリング・アウトソーシング会社が人材開発に留まらず、スポーツカーの開発・販売を手掛けるケースは稀だけに、同社の今後の活躍が大いに注目されます。
(Avanti Yasunori・画像:ASPARK)
【関連リンク】
ASPARK
https://www.aspark.co.jp/
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Source: clicccar.comクリッカー