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これは「女子のためのカタチ」じゃない。ミラ トコットのエフォートレスなデザインとは?

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エフォートレス=肩ひじを張らず自然体でいること、をコンセプトとして発表された「新型ミラ トコット」。ミラ ココアと大きく趣を変えたスタイルはどのような過程で生まれたのか。エクステリアとカラーデザイナーのおふたりに聞きました。

── 最初の質問です。オールニューとして様々な可能性がある中で、この基本シルエットはすぐに決まったのでしょうか?

「いえ、これが結構大変でした(笑)。テーマの「シンプル」は女性チームからの案ですが、実際スケッチするのは男性デザイナーで、どうも機能優先の素っ気ないカタチになってしまう。従来の「丸」方向じゃないことは理解しても、じゃあシンプルって何だと。結局、意匠確定直前になっても意味不明なスケッチのままで……」

── では、最初から仕切り直しですか?

「はい、もう一度マッピングからやり直しでした。シンプルな中にも愛嬌や安心感が必要なのではないかということで、2009年東京モーターショウ出品の「バスケット」などがかなり参考になりましたね」

── ではフロントから。まず、グリルレスとしたのはなぜですか?

「最近はグリルで主張するクルマが多いですが、今回はそれに頼らず基本で見せるカタチを目指しました。もともとメッキを使わない方向でもありましたし、シンプルなボディの中で必要がない穴は開けないぞと(笑)」

── フードの先端は普通にRを付けるのではなく、明快なラインを入れましたね

「シンプルでスクエアなボディの表現として、ここからボディを囲む長いラインを引いています。ふつう、1本の線で囲むと動きが止まってしまうので敬遠しがちなんですが……。また、今回はフードを持ち上げてしっかり見せるのがパッケージの基本でしたから、これでボディの厚さも表現しているんです」

── サイド面ですが、そのラインに沿ってフロントランプからもう1本の線が引かれ「2本線」になっているのが珍しいです

「先の長いラインでボディの立体感は出せているのですが、サイド面のキャラクターラインとしてはちょっと不足していると。そこを補完するためにラインを追加しました。たしかに、この狭い間隔で線を2本引くというのは正直珍しいと思います」

── サイド面のプレスラインを凹面にしたのはなぜですか?

「道具箱など、機能を追ったモノはたいていネガティブ面を使っていません。このクルマも同じ発想で凸面を基本としていますので、その中でプレスラインをフラットに見せたかった。もうひとつ、実はドア断面の強度確保としての意味もあるんです」

── リアハッチの傾きですが、どっちも前になるような微妙な角度が気になります

「本音ではもっと傾けたかったんです。女性ユーザーから、最近の軽はデカ過ぎるという声があって、よりコンパクトに見せたかった。具体的にはAピラーを立て、リアピラーを寝かせて動的な表情を持たせつつですね。本当は以前の「エッセ」くらい寝かせたかったのですが、頭上空間の表現としてこれが限界でした」

── ボディカラーですが、新色3色はどういう意図で作りましたか?

「従来のクルマ目線ではなく、もっと自然体で身近なものにしようと。実際には女性のカラーデザイナーとセレクトショップやカフェなどを巡って「いま」の雰囲気をリサーチしました。基本はオーソドックスなカラーですが、ただその中にも必ず元気な色があって、イエローなどはそれを反映させているんです」

── 最後の質問です。今回女性チームが参画していますが、女性のためのクルマとは「いま風の女子」の解釈でいいのでしょうか?

「正直言って、開発メンバーには女性のためという認識はありませんでしたね。そもそも性差を考えるのが違うだろうと。たしかに運転のし易さやパッケージでは女性を意識しましたが、それらは本来すべてのユーザーのためにあるべきで、生活の道具の延長上にあるクルマをど真ん中に置こうということです」

── ありがとうございました。

(語る人)
ダイハツ工業株式会社 デザイン部
第1デザイン室 課長 皆川悟(写真左)
第2デザイン室 平井伸明(写真右)

 

(インタビュー・すぎもと たかよし)

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Source: clicccar.comクリッカー

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