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こんな展開ある? 雨を味方につけ、最後まで諦めなかったルイス・ハミルトンが大逆転優勝【2018年F1第11戦ドイツGP】

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2018年F1第11戦ドイツGPが、ホッケンハイムリンク(4.574km、周回数67周)で開催されました。

ドイツGPは1951年から開催され、76年まではほぼ毎年ニュルブルクリンクで行われていました。しかし、76年にニキ・ラウダが瀕死の大火傷を負う事故をきっかけに、ホッケンハイムリンクに移転。

2007年からはニュルブルクリンクとホッケンハイムリンクの隔年開催となりましたが、ミハエル・シューマッハー引退後の15年、17年とドイツGPの開催が中止され、2年ぶりの開催となりました。

予選では母国GPとなるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がポールポジションを獲得し、応援にかけつけたファンは大盛り上がり! 2013年以来となる母国GP優勝に期待がかかります。

そして2番手にバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3番手キミ・ライコネン(フェラーリ)が続きました。

決勝日の天気は曇り。一波乱ありそうな雨雲がサーキットに近づく中、レースがスタートしました!

大きな混乱もなくキレイな隊列をつくっていきますが、4番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が前を走るライコネンにオーバーテイクをしかけるも、抜くことができません。

予選中のマシントラブルにより14番手スタートとなったルイス・ハミルトン(メルセデス)は猛烈な追い上げを見せ、10周目には7番手に! さらに11周目にはニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、14周目にはケビン・マグヌッセン(ハース)を抜いて5番手までポジションを上げ、気が付けばいつものトップ3チーム(フェラーリ、メルセデス、レッドブル)が上位に並びました。

この時点での上位勢の順位は首位ベッテル、2番手ボッタス、3番手ライコネン、4番手フェルスタッペン、5番手ハミルトンです。

レースが順調に進む中、上位勢で最初に動いたのはライコネン。15周目にウルトラソフトタイヤからソフトタイヤに交換しました。

25周目にベッテル、そして28周目にボッタスが同じくソフトタイヤに交換しましたがベッテルはライコネンの後ろ、ボッタスはベッテルの後ろで復帰と順位が大きく入れ替わったのです!

2人より約10周早くタイヤ交換をしたライコネン。「もう一回入るの? それともこのタイヤで最後までいくの?」とドキドキしっぱなし!!

母国GPでポールポジションスタートだったベッテルは、この状況に怒りMAX。「これはおかしいよ! タイムも失っているし、タイヤも悪くしている」とチームに訴えますが、順位は一向に変わりません。

何度も何度も訴えるベッテルにチームから「どれくらい速く走れるの?」と質問が飛び「1秒くらい」と答えると、ついにライコネンにチームオーダーが出されベッテルに首位を譲らせました。

42周目、ハミルトンがソフトタイヤからウルトラソフトタイヤに交換した矢先、ターン6で雨が降ってきました! ここでシャルル・ルクレール(ザウバー)、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)、ピエール・ガスリー(トロロッソ)がピットインしガスリーはウエット、他の2台はインターミディエイトに交換。

フェラーリ勢とメルセデス勢はドライタイヤのままステイアウトしますが、フェルスタッペンはピットインしてインターミディエイトタイヤに交換しました。

雨が降っている所と降っていない所の差が激しく、雨量の多い場所ではドライタイヤには厳しくスピンしたり曲がれずコースオフするドライバーが続出! タイヤチョイスが非常に難しいコンディションとなってきました。

そして53周目、衝撃の映像が飛び込んできました。トップを走行中のベッテルがターン13で曲がり切れずコースオフし、グラベルで止まりきれずそのままタイヤバリヤにクラッシュしてしまい、たくさんのファンが見守る目の前でリタイアとなってしまったのです……。

ステアリングを叩き、砂利を蹴ってとても悔しそうなベッテル。「みんなごめんね……」と涙声でチームに謝る姿に、見ている私も涙が出そうになりました(涙)。

ベッテルのリタイアより、セーフティカーが導入。その間にボッタスとライコネンがピットに戻りウルトラソフトタイヤに交換したと同時に2人の順位が入れ替わりました。ウエットタイヤを履いていたドライバー達も、続々とドライタイヤに交換します。

この時点の上位勢の順位は、首位ハミルトン、2番手ボッタス、3番手ライコネン、4番手フェルスタッペン、5番手ヒュルケンベルグです。

58周目にレースが再開するとボッタスがハミルトンにしかけ、サイドバイサイドの激しい争いを見せましたが、ハミルトンはポジションを守りきりました。ボッタスへチームから「ポジションをキープしろ」と注意が入ります。

そしてまだ濡れた路面もある難しいコンディションの中、ハミルトンが見事優勝! ボッタスも2位を守り、メルセデスは母国GPでワンツーフィニッシュを果たしました。

予選でトラブルのためマシンを降り、コース上でマーシャルと一緒にマシンを押しなんとかセッションに戻ろうとしたハミルトン。しかしその願いは叶わずマシンを止めることとなり、その場に座り込んでしまった姿は印象的でしたよね。

そんなハミルトンが表彰台の真ん中で笑顔でジャンプをしているなんて、誰が想像していたでしょう!

決勝後のインタビューで「勝てるだなんて信じられなかったでしょう?」という質問に

「いや、信じていましたよ。もちろん14番手スタートからというのは難しいですけどね。でも、いつも信じなくてはいけないんです。スタートの前に祈って、ファンのサポートを見て、とにかく落ち着いてポジティブに考えていました。こんな事ができるなんて信じられないけど、でもプッシュして信じて、優勝は今日の夢だったんです。良い仕事をし、最高のクルマを与えてくれたチームに本当に感謝しています。僕を信じてくれて、僕も彼らを信じて……。それが形になったんだと思います」

と感慨深げに答えていたハミルトンに、最後まで諦めず信じ続ければ願いは叶うことの大切さを教えてもらったように思います。

ドイツGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。

順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
3/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
4/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
5/#27/ニコ・ヒュルケンベルグ/ルノー
6/#8/ロマン・グロージャン/ハース
7/#11/セルジオ・ペレス/フォースインディア
8/#31/エステバン・オコン/フォースインディア
9/#9/マーカス・エリクソン/ザウバー
10/#28/ブレンドン・ハートレー/トロロッソ

(yuri)

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Source: clicccar.comクリッカー

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