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【アルファロメオ・ステルヴィオ試乗】アルファロメオ初のSUVは、ベースモデルのジュリアより上質なドライブフィールを示す

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アルファロメオは、スポーツイメージを上手に使ったブランド戦略で数々のヒットを飛ばしてきましたが、その多くはFFもしくはFFベースの4WDばかりで、古くからのアルファロメオファンは少し残念な思いをしていました。

しかし、2011年に登場したミッドシップスポーツの4Cに続き、2015年に復活したFRセダンのジュリアにより新境地を開拓したことで再び脚光を浴びています。

そのジュリアをベースとしてSUVに仕上げたモデルが今回試乗したステルヴィオ。ジュリアのプラットフォームを用いているので、ホイールベースはジュリアと同一の2820mmです。ボディサイズはジュリアよりも若干短く、車幅は逆に少し広くなります。全高は245mm高い1680mmとSUVらしいシルエットを持っています。

ラゲッジルームは定員乗車状態で525リットルの容量を持ちます。リヤシートは4対2対4分割で前方に倒すことができ、スペースアップが可能です。リヤシートのフォールディングはリヤ側のレバーでも可能となっていて、利便性はかなり高くなっています。

SUVだと思って乗り始めるとその走りのポテンシャルの高さに驚かされます。いったいSUVという定義は何なのか? という大きな疑問にぶち当たるのです。

SUVとはスポーツ・ユーティリティ・ヴィークルの略ですが、少し前まではユーティリティの部分は満足のいくクルマが多かったのですが、スポーツの部分には?を感じるクルマも多く存在しました。それはたとえばレジャーで使うことを考えるがためにスポーツに振り切れないとか、オフロード性能を重視するがためにオンロードのスポーツ性に振り切れない(それはそれでオフロードスポーツと考えれば素晴らしいものですが)といった印象だったのです。

ところがステルヴィオのオンロードのスポーツ性については、SUVと呼ばれるほかのクルマと比べて一歩抜きんでた印象を受けました。

じつはジュリアにはあまりいい印象を持てませんでした。今回のステルヴィオと同じ280馬力のエンジンを積むヴェローチェにしてもコーナリングなどは気持ちよく走れるものの、全体とし荒削りさが目立ちました。ところがこれがステルヴィオになったらずいぶんといいのです。

おそらくは車高を上げたことにより、サスペンションストロークが稼げるようになったことでシャシーに余裕が生まれ、そこに太いタイヤを装着したのでがっしり感が出ているのでしょう。また、ジュリアはFRと4WDを用意しますが、ステルヴィオは4WDのみです。

ステルヴィオにもアルファロメオの走行モード切り替えスイッチが装備されていて、D(ダイナミック)、N(ノーマル)、A(オールウェザー)の3種が選べます。スポーツ走行を行うならD(ダイナミック)を選ぶのが基本でしょう。ステアリングアシスト量が減り、エンジンの吹け上がりがよくなり、ミッションのシフトポイントも高回転よりになります。

2リットル280馬力の出力を誇るエンジンは5500回転からゼブラ、6000回転からレッドゾーンとなりますが、Dモードで走れば5500回転付近までキッチリ回ってくれます。2000回転からはトルクがフラットになるので、加速の連続感はバツグンにいいものです。

ジュリアには2リットルの200馬力仕様が用意されていましたが、現在のところステルヴィオにそのエンジンが搭載される予定はないと言います。その代わり、510馬力のクアドリフォリオは予定があるとのこと。ジュリアのクアドリフォリオはシャシーがエンジン出力についていかない印象でしたが、ステルヴィオに搭載される場合は4WDとなるので印象は変わるはずです。

(文:諸星陽一・写真:平野 学)

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Source: clicccar.comクリッカー

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