電気自動車(EV)メーカーの米テスラが中国・上海にEVの新工場を建設する。テスラが米国外に工場を設けるのは初めてで、年50万台の生産を目指す。テスラは最大市場である中国での販売を拡大すると同時に、過熱する米中間の貿易摩擦の影響を現地生産により回避する狙いもありそうだ。
上海市政府が10日、テスラが同市郊外にEVの開発・生産拠点を設けることで同市と覚書を結んだと発表した。投資額など詳細は明らかにしていない。中国メディアは、テスラの単独出資で早ければ2019年初めにも着工するとしている。巨大電池工場「ギガファクトリー」のほか、モーターなどの主要部品から車両の組み立てまでを担う拠点になるとみられる。
調査会社の英LMCオートモーティブによると、テスラの17年の中国販売は約1万5千台と世界販売の約15%を占める。ただ全量が米国からの輸出。米中双方が6日に発動した25%の追加関税を受け、テスラは中国で3割程度の値上げに踏み切った。中国での生産開始には時間を要するが、現地生産で貿易摩擦などのリスクを回避する。
テスラは以前から中国で単独出資での現地生産を模索していたが、外資規制などが障壁となり実現していなかった。だが中国政府が今年に入り自動車分野で出資規制を撤廃。単独出資での中国進出が可能となり、5月に上海に中国法人を設立していた。米トランプ政権が保護主義に傾倒するなか、中国政府は市場開放をアピールする狙いもあるとみられる。
2018年7月11日 0:17 日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO32850050R10C18A7MM8000
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Source: 新型車情報局