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新型フォレスターの「e-BOXER」って何がすごいの? ディーラーに出かける前に知っておこう

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人気SUVのスバル新型フォレスターが、2018年7月に発売されました。

2.5L直噴ターボとともに、パワートレインの目玉として設定されているハイブリッドシステム「e-BOXER」に注目してみました。多種多様のハイブリッドシステムの中で、スバルの「e-BOXER」は、どのようなシステムで、どんな特徴があるのでしょうか。

トヨタのプリウス以降、さまざまなハイブリッドシステムが提案され、実用化されてきました。特徴ある、それでいて似通った多くのシステムがありますが、基本的には次の3つのグループに分けられます。

1)パラレル方式
エンジンとモーターを駆動力として使い分けるが、エンジンが主役で、モーターは補助的な役割。シンプルな構成で、比較的低コストなため、マイルドハイブリッドとして使う場合が多い。(代表例:ホンダ「IMA」、スズキ「S-エネチャージ」など)

2)シリーズ方式
エンジンはモーターの発電専用として使い、全域モーターで走行。エンジンの出力を常時電気エネルギーに変換するため、その分ロスが発生する。(代表例:日産「e-Power」など)

3)シリーズ・パラレル方式
パラレルとシリーズのいいとこどりのシステム。エンジンの出力を発電用と駆動用に使い分け、エンジンとモーターの駆動力を合成して走行。効率は高いが、システムが複雑でコストも高くなる。(代表例:プリウス「THS」、新型アコード「i-MMD」など)

どのシステムが優れているかではなく、クルマの車格やコンセプトによって、棲み分けられています。当面は、この3方式とも存続するでしょう。

フォレスターが搭載する「e-BOXER」では、CVT「リニアトロニック」の前にトルコン付きエンジンと、モーター/発電機を並列に配置します。モーターは、縦置きCVTのケース内にコンパクトに収めています。XVで採用したシステムとほぼ同じで、モーターがエンジンの出力をアシストするパラレル方式です。

エンジンとトルコンの間と、CVTの出力軸に設置した2つのクラッチを、運転状況に応じて断続制御し、動力源を切り替えます。モーターによる出力アシストだけでなく、EV走行と停車時発電を可能にしています。

出力構成は、最高出力78.7kWの2.0L水平対向直噴エンジンと、出力10kW(100V電源)のモーター/発電機を組み合わせています。低電圧の小型モーター/発電機なので、EV走行といっても発進と低速走行に限られ、減速時に十分なエネルギー回収もできません。原理的に、大きなモーター/発電機を搭載するフルハイブリッドのような燃費向上は期待できません。

最大の特徴は、燃費よりも走行性能や走破性を重視した「走り志向のハイブリッド」である点です。動力源の切り替え制御が容易な「e-BOXER」は、スバル独自の「シンメトリカルAWD」とも、相性のよいシステムです。

通常の「燃費志向のハイブリッド」では、エンジンは常時効率の良い燃費最良点で運転し、不足するトルクをモーターでアシストします。

一方、「走り重視のハイブリッド」では、要求トルクに対してエンジントルクが不足する分を、モータートルクでアシストします。エンジンは、低回転域のトルクが出にくい特性がありますので、これがカバーできると、排気量を大きくしたような効果があります。

さらに、モーターは瞬時にトルクを発生するので、加速直後にアシストすることによって、加速レスポンスが向上する効果もあります。最近、欧州メーカーの一部モデルで採用されている電動ターボ(モーターでターボのコンプレッサを回す過給システム)を搭載したエンジンのようなフィーリングになります。言い換えると、電動ターボを使わなくても、同様の効果が発揮できるということです。

新型フォレスター「e-BOXER」ハイブリッドの燃費は、ハイブリッドなのに期待はずれだと思ってはいけません。そもそもハイブリッドのコンセプトや考え方が、他社とは違うのです。

シンプルで信頼性が高く、制御しやすい「e-BOXER」は、「シンメトリカルAWD」との相性が良く、走行性能や走破性を重視したスバル流の「走り志向のハイブリッド」なのです。

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Source: clicccar.comクリッカー

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