大幅改良を受けたマツダ・CX-3は、1.5Lから1.8Lに排気量アップさせた「ライトサイジング(排気量最適化)」という考えをディーゼルエンジンに採用し、2.0Lのガソリンエンジンにも最新技術を搭載させることで、わずかながら最高出力と最大トルクをアップさせました。
1.8Lディーゼルエンジンは、排気量アップにも関わらず1.5L比でインターナル部品の300g軽量化が図られているそう。軽量化に貢献しているのは、ピストン・コンロッドの最適設計、形状最適化。クランクシャフトでは、鍛造の製造工程の改善、ピストン・コンロッド軽量化によるカウンターウエイトの軽量化が行なわれています。
排気量を拡大してまで得ようとしたのは、高価な排ガス(NOx)後処理装置を搭載しないマツダの回答といえるもので、適正な排気量とすることで、高負荷時のNOxを低減。最大トルクまでEGRを導入することにより、NOxの低減が可能になっています。なお、1.8Lディーゼルエンジンは、今年の2月にデミオ、CX-3を対象としたリコール対策済みでもあります。
全域EGRの採用に加えて、可変ターボの改良、高応答インジェクターを採用し、エミッション、燃費をケア。とくに燃費モードをJC08モードからWLTCモードに切り替えることで、カタログ燃費の数値は落ちているものの、実燃費の改善を図ったとしています。
排気量アップの利点は、とくに2000rpm中盤から後半以降、5000rpmまでのトルクアップに表れていて、最大トルクは変わらないものの、高回転域のトルクアップを実感できます。
最高出力も11psアップされていることもあって、こうした中高回転域での力強さは1.5Lよりもかなり引き上げられていて、高速域のパンチ力もディーゼルエンジンらしからぬ伸びを感じさせます。
逆に、街中では驚くほどトルクフルではありませんが、必要十分なトルク感、パワーフィールが得られていますから不満はもちろんなし。新しい1.8Lディーゼルエンジンは、高速道路を使ったロングドライブで最も真価が得られる仕上がりになっています。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)
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