大幅改良を実施したマツダ・CX-3に試乗してみて、その全体の進化を実感するとともに、ディーゼルとガソリンの甲乙つけがたさが悩ましく思えました。
今回、フロントグリルのデザインが変更され、またテールランプの内部造形が変わるなど、CX-3としては初めて大規模にエクステリアに手を入れました。
インテリアでは電動パーキングブレーキ採用により、フロントセンターコンソール部分の大幅な改修が行われました。
具体的にはカップホルダーの位置を前方向に移動し、大容量のスペースを設けています。同時に従来は存在しなかったアームレストも新設されています。
リヤのセンター部にアームレストも追加されました。カップホルダーはこのアームレスト内にビルトインされています。
静粛性の追求も行われています。ドア鉄板を前後とも厚くし、リヤウインドウを厚板化。ルーフライニングもボリュームアップしています。静粛性についてはもともと悪くなかったCX-3ですが、乗り比べるとやはり改良型の方が静けさで上回っています。
メカニズム面でのハイライトはディーゼルとガソリンともにパワーユニットが改良されたことです。ディーゼルエンジンは1.5Lターボから1.8Lターボに排気量拡大されました。最高出力は116ps/4000rpm、最大トルクは27.5kgf・m/1600〜2600rpmです。
これはパワーアップが目的というよりも、エミッションを余裕をもってクリアすることに主眼が置かれています(最大出力は11ps向上も最大トルクは不変)。が、やはり排気量拡大というリア充な変化の恩恵は大きいのか、1.5L時代よりも線の太い加速と感じます。
2Lガソリンユニットは排気量こそ変わらないものの、回転全域でトルクアップしています。最高出力は150ps/6000rpm、最大トルクは19.9kgf・m/2800rpmです。
そのトルク伸びしろは全体で1〜2%程度とのことですが、実際乗ってみるとそれ以上に快活になった印象です。これはしなやかに動くように改良されたサスペンション(ガソリン・ディーゼルとも)から受けるフィールも加味されたものかもしれません。
また、トルクでは圧倒的に有利なはずのディーゼルと比較しても、遜色ないかむしろ場合によってはガソリンの方がパワフルな印象を与えてくれるシーンもありました。これはおそらく50Kgほど車重が軽いことも影響しているのでしょう。
ディーゼル搭載車とガソリンでは約30万円ほどの価格差があります。最大トルクの大きさやランニングコストの面ではディーゼルが基本的に有利ですが、イニシャルコストの点ではガソリンに分があり、単純比較は難しく悩ましいです。
CX-3のディーゼル一択で考えている方は、鼻先が軽く軽快感のあるガソリンユニット搭載車にも一度試乗しておくことをおすすめします。
(写真・動画・文/ウナ丼)
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Source: clicccar.comクリッカー