「半端ない」という言葉を借りれば、
スバル(SUBARU)が約6年ぶりに全面改良した『フォレスター』の発表会は、
そのタイミングや段取りなどから判断しても「半端すぎる」との印象を受けざるを得なかった。
先ず、オープニングのあいさつである。
これまでは社長が述べるのが慣例となっていたが、車の燃費などの検査で新たな不正が発覚したため、吉永泰之社長ではなく、2日後の6月22日の株主総会後に就任する予定の中村知美・専務執行役員が“代行”した。見方によっては次期社長がいち早く報道陣にお披露目するとの配慮もあるが、冒頭、中村次期社長は「一連の不適切な事案について、ご心配とご迷惑をおかけしていることをおわび申し上げます」と謝罪。「不正を二度と起こさないよう徹底した調査を行い、会社として信頼の回復に取り組んでいく」と述べた。きょうの各紙も「信頼取り戻す」(朝日)、「反転攻勢へ正念場」(産経)、「不正の渦中『新たな一歩』」(日経)など、次期社長の謝罪の言葉をタイトルに取り上げている。このうち、朝日は「中村氏は新型車を説明した約5分の間に『お客様の信頼を取り戻す』と3度繰り返した」と伝えているように、新型車よりも「信頼回復」をアピールするあいさつに受け取れた。しかも、フォトセッション後にはマイクを使って正式な質疑応答の時間は設定せず、中村次期社長の「囲み取材」が会場の片隅で行われた。だが、中村氏は正式に社長に就任していないこともあり、報道陣からの質問には自信のなさそうな小さな声でポツリポツリ。「謙虚さ」は感じたものの、今後は吉永社長に代わって信頼回復の旗振り役としてリーダーシップを発揮しなければいけない立場でもあるが、及び腰の「囲み取材」ではそれも伝わってこなかった。新型フォレスターの発売日は7月19日。1か月前の発表で起死回生を狙ったとみられるが、このタイミングでのお披露目は、あまりにも中途半端過ぎるのは残念でならない。 carview.
Source: 新車速報 Car Drive