大幅改良された2L・NAエンジンを搭載した新型ロードスターRFに試乗しました。
PE-VP型エンジンの最高出力は158ps/6000rpmから184ps/7000rpmへ、最大トルクは20.4kgm/4600rpmから20.9kgm/4000rpmへとジャンプアップしています。
また最高許容回転数も6800rpmから7500rpmへと、なんと700rpmも引き上げられています。一方で、最大トルクの発生回転数は4600rpmから4000rpmに下げられています。
つまり馬力がアップして最高許容回転数が拡大、それでいてトルクも増えつつ発生回転数が低くなっているわけです。ということでエンジンはより扱いやすく加速が上回り、さらに高回転域まで対応するという完璧超人状態ともいえますね。
ちょっとうがった見方をして「最大トルクの発生部分以外では、前モデル比でトルクが落ち込む部分もあるのでは?」と思ったのですが、実際には全ての回転域においてトルクは従来モデルを上回っているとのこと。
こうした完璧超人エンジンを達成するためには、吸気スロットル径やエキマニの内部径の拡大などが施されました。ハイカムの採用も相まって、高回転域でのポンピングロスは3割改善しています。またピストンで27g、コンロッドで41gの軽量化をするなどのコストと手間のかかる変更も加えられています。
実際に試乗しました。とにかく滑らかに高回転域まで吹け上がるエンジンは、どの領域においても厚いトルクを伴っています。このため従来モデルであればギヤを一つ落として加速体制に入らなくてはならないようなコーナーであっても、アクセルの踏み込み量を調整することで対応できてしまうシーンが多く見られました。
最高出力を発生する7000rpmほどまで、2速と3速でそれぞれ踏み込んでみました。高回転まで回すことでなんとかパワーを絞り出しているという感覚ではなく、低回転から7000rpmオーバーまで、トルク厚めのままで上昇カーブを描いているということがよくわかる車速の伸びを示してくれました。
今回はエンジンサウンド面でのチューニングも施されています。メインサイレンサーの内部構造を見直し、低音域を強調するようなサウンドクリエイトがなされました。
同時にこもり音を減らすよう繊細にチューニングが加えられた結果、従来までの甲高く繊細なエンジンサウンドに代えて、排気量が増えたかのような迫力ある太いサウンドへと切り替わっています。
史上最強となるエンジンを獲得した新型RF。その最高出力だけではなく、トルクの発生特性や重低音の効いた排気音などで「マッスル・ロードスター」とでも呼びたくなる内容になっていました。
(写真/前田惠介、ウナ丼 動画・文/ウナ丼)
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Source: clicccar.comクリッカー