大きなミニバンから新時代の高級車へと進化したトヨタのLLサイズミニバン、アルファード/ヴェルファイア。2017年12月に行ったマイナーチェンジ以降、人気が逆転し勢力図が変わっています。
現行型のアルファード/ヴェルファイアは2015年1月に登場し、2017年12月に初のマイナーチェンジを行いました。内外装の意匠変更をはじめ、豪華仕様のエグゼクティブラウンジをエアロ系モデルに追加。さらに、第2世代へ進化した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」の全モデル展開など盛りだくさんの内容です。
このマイナーチェンジによって変化が起きました。それまではヴェルファイアがアルファードより人気が上回っていたのですが、マイナーチェンジを機に逆転してしまったのです。
現行型アルファード/ヴェルファイアが登場した2015年以降、一般社団法人 日本自動車販売協会連合会のデータによると、新車登録台数は2015年がアルファード4万4366台に対して、ヴェルファイア5万4180台。2016年はアルファード3万7069台、ヴェルファイア4万8982台。2017年がアルファード4万2281台、ヴェルファイア4万6399台と常にヴェルファイアが上回ってきました。
この傾向が、3月にはアルファード7246台、ヴェルファイア5484台と逆転しました。これは営業マンが頑張った一過性のものかと思っていたら、4月も4681台と2743台、5月は3810台と2856台とアルファードが上回り続けているのです。これはもう勢力図が変わったと言えない状況です。
そしてこの勢力図の変化は新車の登録台数だけでなく、中古車相場にも及んでいました。現行型アルファード全体の平均価格は406万円。対してヴェルファイア全体は380万円とアルファードが上回っています。しかし、これは流通しているグレードの違いによる影響もあると考えられるので、より詳しくチェックしてみました。
中古車で流通台数の多いアルファード2.5S Cパッケージとヴェルファイア2.5Z Gエディションの平均価格を比較しました。2015年~2017年式の前期モデルではアルファードが420万円に対してヴェルファイアは397万円。しかし、後期モデルではアルファード478万円。対してヴェルファイアは453万円で、その差はいずれも3カ月前より広がっているのです。
そこで、この状況を販売店に確認してみると、「お客様からマイナーチェンジ後のヴェルファイアの外観デザインはやりすぎ感が強いし、かっこ悪くなったという声が増えました。いくら押し出し感が重要とはいえ、やりすぎは人気を落とすようです」という答が返ってきたのです。
これまでヴェルファイアのほうが人気で中古車相場は高止まりしていたが、この人気の逆転によって買いやすくなるのは間違いありません。したがって中古車で現行型ヴェルファイアを狙っている人にはこの値落ちは朗報といえるでしょう。しかし、これで中古車の買いが進むとまた、高値安定に戻ってしまうので、素早い行動がヴェルファイアの中古車購入成功の鍵となります。
(萩原文博)
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Source: clicccar.comクリッカー