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ショーワの提案。21世紀のパートタイム4WDと超軽量サスペンション【人とくるまのテクノロジー展2018】

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公益社団法人 自動車技術会が主催する「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」が3日間の会期を終えました。過去最多となる597社がブースを並べ、計測技術や新デバイスなどを展示。その濃い展示は、3日間ではとても見尽くせないものでした。

その中から、ここでピックアップするのは、二輪・四輪のサスペンション(ダンパー)で知られているショーワ。しかし、同社が生産しているのはダンパーだけではありません。4WDに欠かせないデフキャリアの製造も長く続けているといいます。

乗用4WDはドライバーが切り換えるパートタイム4WDからはじまり、意識せずとも最適な駆動配分を行なうタイプへと進化してきました。そして現在、コンパクトカーでは通常は前輪を駆動、スリップしたときに後輪を駆動させるスタンバイ型の4WDが主流となっています。

そうした駆動配分をリーズナブルに実現するのがビスカスカップリングを用いた方式。シリコンオイルのせん断特性を利用した粘性式クラッチを持つシステムです。こうしたビスカスカップリングを内蔵したリヤデフキャリアをショーワは長らく生産しています。

しかし、ビスカスカップリングの粘性というのは、ずいぶんと改善されてきたとはいえ走行抵抗につながります。そこで、今回発表されたのが2WD−4WD切り換え式デフキャリアです。

従来、ビスカスカップリングが置かれていた部分を、スプラインとスリーブによる電動式の接続機構へと置換することで、必要に応じて瞬時に4WDに切り替えることを可能としています。これによりドライの舗装路などは完全にFFで走ることができるため走行抵抗を減らし、燃費性能の改善が期待できるのです。

構造としてはパートタイム4WDですが、スリップを検知して自動的に接続するためユーザーは特別に意識しないまま、4WDの恩恵を受けることができるのです。

軽量かつ抵抗が少なく、そしてダイレクトに駆動の伝わるコンパクトカー向けの新提案です。

もうひとつ、ショーワのブースで目をひいたのが超軽量ダンパーのプロトタイプ。乗用車で使われる多くのダンパーは、スチールの丈夫なケース(アウターチューブ)の中に、オイルやピストン、ロッドなどを収めた構造となっています。そのため重くなりがちです。

ショーワが提案する次世代の超軽量ダンパーは、アウターチューブをアルミ化したほか、スプリングシートを樹脂に置換、ロッドを中空式とするなどしたもので、この3つを同時に採用したダンパーは世界初ということです。これにより、従来品に対しておよそ20%という大幅な軽量化が期待できるのです。

さらに詳しくいえば、アウターチューブは高強度アルミ押し出し材、スプリングシートは強化ポリアミド材を使っています。また、スプリングシートを樹脂化することで、スチールをプレス成型している従来品よりも生産における柔軟性が増しているといの見逃せないポイントです。

(山本晋也)






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Source: clicccar.comクリッカー

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