OPTスーパーMR2の最高速2ndトライは、252.19km/h と、目標だった250km/hをクリアできました! エンジンパワー的にも余裕を持っていたという、そのメカニズムをプレイバックです!
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OPTスーパーMR2への挑戦
1stトライの50psアップ、260psをポンとマーク!
1stトライで236km/hをマークしたエンジンは、走行中の水温・油温・排気温度のすべてが正常であり、ダメージはまったく考えられなかったが、基本的なメカチューンの追加もあるのですべてバラバラにされた。
2ndトライ用のチューンはポート研磨、バルブガイド段付き修整、燃焼室形状変更、ブロック内面の段付き修整、スペシャルヘッドガスケットの採用、クランク、コンロッドのバランス取り。そして288度のスペシャルハイカムを採用した。
また、さらに高回転を考え、メタルとピストンリングを新品に交換した。タービンはK26で1stトライと同じだが、エキゾーストハウジングはK26最大のビッグハウジングを採用した。
この状態でエンジンテストベンチでテストした結果、追加インジェクターを210ccから327cc×2本という大容量に変更して燃料増量を行い、ブースト1.2kg/cm2で260ps/7000rpmを記録した。追加インジェクターの回転設定は5000rpmで1本、6500rpmで2本同時というセッティングでトライ。
その他は1stトライと同仕様で、当初考えていたインタークーラー用ラジエター、ドライサンプ化は時間の関係で手を付けることができなかった。
しかし、ベンチ上で260ps、それもベンチ室が40度以上という高温であったことを考えれば、250km/hマークは確実との自信で、谷田部トライアルに臨んだ。
直進性の悪さはリヤのトー変化と結論を出す!
ファーストトライで最も問題になったのが、直進性の悪化とフロントのフラつきだ。そこで200km/h以上での直進性を強くするためのトライをしてみた。
1stトライでの問題点を総合的に判断すると、ふたつの問題点に絞られた。その1は、フロントに大型エアダムを装着して、リヤは小型スポイラーのままだったので、フロントのダウンフォースのみ強くなってしまいリヤが安定性を失っている点。
その2は、車高を下げたことによりアライメントが狂っている点と、サスの設計速度以上になるためにトー変化が激しく、全体がトーアウトになり直進安定性を失っている点である。
そこで、今回はワンオフスペシャルの大型リヤウイングを採用し、さらにウイングに流れるエアを整流するために、アルミパネルで大型のルーフスポイラーを製作した。これにより、フロント&リヤスポイラーのバランスが理想的になると考えられた。
アライメントは、曲がる性能を多少犠牲にしても、直進性をアップするというセッティングにした。
この数値は結果的には成功であり、1stトライでの直進性の悪化は、リヤのトーインがノーマル値+4mmに対してマイナス値になっており、さらに高速走行で開いてしまったのが最も大きな原因との結果を出した。
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この時代、本格的なハードなチューニングは、各チューニングメーカーもショップもまだまだスタートしたばかりのMR2チューン。シグマオートモーティブ+マッドハウス+OPTでのこの究極テストが指針になっていたとの自負あり!です。次回その3では、4A-Gの中身を徹底解析!です。
[OPTION 1984年11月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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Source: clicccar.comクリッカー