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中高生が描く斬新な自動車像。カーデザインコンテストが未来のクルマを創造する!

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3月26日(月)、アルカディア市ヶ谷(千代田区)で「第6回カーデザインコンテスト」の表彰式が行われました。これは、公益社団法人自動車技術会のデザイン部門委員会が企画するカーデザイナー人材育成プログラムで、全国の中学、高校、高等専門学校生からテーマに準じた作品を募るコンペイベントです。

2013年から始まった本企画には毎年200件前後の応募があり、大賞以下の各賞を競います。6年目の今回は「10年後の暮らしを楽しくするクルマのデザイン」がテーマ。新しい技術によって快適で便利な社会になるであろう10年後、クルマはどんな進化を果たしているのかを問いました。

表彰式には、応募総数253件(高校生217件、中学生36件)の中から、佳作を除く上位4賞受賞者5名が出席。同委員会デザイン振興ワーキンググループ・田村健司氏(本田技術研究所)からの総評とともに、賞状と副賞が手渡されました。

式の目玉は、後半の現役デザイナーによる受賞者とのスケッチ講習会です。受賞者5名は、それぞれトヨタ、日産、スバル、日野、いすゞ各社の若手デザイナーからマンツーマンで指導を受けることができます。

各デザイナーはあらかじめ受賞作品をクリーンアップして持参、その場で本人とともに本格的な彩色を試みます。プロの手ですっかり現実味を帯びたスケッチを前に、受賞者5名も慣れないマーカーを手に貴重な時間を過ごしました。

乗客が癒しを感じられる「癒バス」でカーデザイン賞(高校生の部)を受賞した岩片智君(都立工芸高等学校1年・写真下・上段)は、自身の作品についてこう語ってくれました。

「バスの外観は、情報量を減らして街に溶け込むようシルバー1色のボディにしました。自動運転を象徴してフロントは全面ガラスとし、サイドは室内のテクスチャが生きるよう上下に狭いガラスで、あたかも風景を切り取るイメージに。ウッドの内装は、最近の豪華寝台列車にインスパイアされたものです」

また、ボディに絵画を投影するという大胆な発想の「SKETCH」で審査員特別賞を受賞した鈴木優里香さん(女子美術大学付属高等学校2年・写真上・下段)は、こう感想を語ります。

「私は印象派の絵画が好きで、それを生かした提案を考えました。クルマにモネや北斉の絵が映ったら面白いし、直接ボディに描くのも楽しい。ただ、今日の講習会では、クルマは単に表面上ではなく、機能やしくみを理解して、その制約の中でデザインすることに醍醐味があることを知りました」

いま学生のプロダクトデザイナー志望の現場では、雑貨や文具などの小物人気が高く、家電やクルマといったかつての花形業種に目が向かないといいます。より身近なモノに興味が移る傾向がある中で、クルマの魅力をどう伝えていけばいいのでしょうか。

未来への夢を語ることはもちろんですが、そのためには「いま」のクルマにこそ若者にアピールできる魅力が必要なのかもしれません。

第6回カーデザインコンテスト受賞者

「ダビンチ賞」
中学生の部 「未来の消防車」三浦萌(神戸市立広陵中学校2年)
高校生の部 「Smart7」高木海斗(熊本県立大津高等学校2年)
「カーデザイン賞」
中学生の部 「air(エアー)」沖林和幸(神戸市立広陵中学校3年)
高校生の部 「癒バス」岩片智(東京都立工芸高等学校1年)
「審査員特別賞」
「SKETCH」鈴木優里香(女子美術大学付属高等学校2年)
「カーデザイン大賞」
該当者なし

(すぎもと たかよし)

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Source: clicccar.comクリッカー

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