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【東京オートサロン2018】Legend of the BNR32「GReddy RX」の名はBNR34が継承【Play Back the OPTION Spin off】

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第2世代と言われるRB26DETT搭載のGT-Rと東京オートサロンは、とても縁が深いということをご存知でしょうか? BCNR33は第13回の「東京オートサロン1995」で、BNR34は第17回の「東京オートサロン1999」の会場で発表されているのです。

モーターショー系ではなくチューニングカーの祭典である東京オートサロンで発表するという、「GT-Rはチューニングをすることが前提!」ということを、ニッサン様もよ〜く分かっていただいていたのは嬉しい限り! そしてBNR32以降のGT-Rは、東京オートサロンではいまだに主役の1台として存在している、ということは誰もが認めていることではないでしょうか。

さて、【東京オートサロン2018】のトラスト・ブースには、「Kカー・コンパクトカー部門」の最優秀賞に輝いた「GReddy ALTO WORKS」のほか、「GReddy SWIFT」、「GReddy 86 KOUKI TURBO」、「GReddy PATROL」と、そして「GReddy 34RX」が車両展示されていました。

ン? GReddy 34RX…34は付いているけど? なんだこの車両名は? あの最強BNR32「GReddy RX」再びか!? コレは会いに行かねば!と、トラスト・ブースへGO!(裏話: 32 RXと縁の深い私。なので「絶対に見に来ると思ってましたヨ!」と32RX開発当時は開発部に所属していた現広報・川島さんに見透かされていました)。

そこには、大人しめのNISMOエアロが装着されたBNR34が鎮座していました。BNR32のRXと、BCNR33のGReddy RX S-ROCを足して2で割ったような、鮮やかなブルーにペイントされたマシンです。

この34RXですが、「RX」という名が付けられているということは、パーツ開発車両だという意味を持っています。しかしなぜ今、新たにBNR34用のパーツ開発がされるのか? パーツはもうすでに各種出揃っているのでは?とも感じます。

BNR32発売から30年近く、BNR34でさえ発売から20年近く経っています。しかしRB26 GT-Rのチューニングはいまだに日進月歩、BNR34は最後のRB26エンジン搭載車として現役真っ最中です。

トラストで今、なぜBNR34用パーツ開発がされるのか? それは、トラストの考える今後のGT-Rチューンは、カリッカリの最高速・ゼロヨン記録狙いとはまた別に、今後もずっと長期にわたり乗れるような、そんなパーツ開発を進めていくのだそう。そのために1999年式のBNR34を購入し、新たな路線での開発が進められるということです。RB26 GT-Rオーナーにとって、これは心強い流れです。

ちなみに「GReddy」というのは、トラストのブランド名。GREAT(偉大な)なEDDY(渦巻き)という意味を持っているだけあり、タービンやそれに関係する補器類(インタークーラー、パイピング、ブーストコントローラー等)がGReddyブランドとなります(昔は、足まわりやブレーキ関係は「GREX」、エアロ関係は「GRACER」と使い分けがされていましたが、今は「GReddy」の名が多く使われているようですね)。

ここでPlay Back the OPTION Spin off】としては、元祖GReddy RX(BNR32)を振り返らないワケがありません。簡単ですがご紹介しましょう。

NISMOベースのRXは、トラストの開発車両として1990年代初期から数々のテスト&トライが繰り返されていました。OPTに初めて紹介されたのは、1991年の東京オートサロン出展車事前試乗会。TD05-16Gツインターボの550ps仕様。このとき、ドライバーを務めたDai稲田に「今後、チューンドGT-Rの名車となる1台!」と興奮しながら言わせたほど印象が強かったそうです。

次のOPT誌面登場は、1992年9月号、2段過給システム「STSC」。遠心式メカニカルコンプレッサーとIHI RHC9ビッグシングルタービンとを組み合わせた新過給システムです。

これは、クランクプーリーからの駆動力をCVTというゴムベルトによる無段変速機構を介して遠心式コンプレッサーへ伝え、吸入した空気を圧縮。圧縮された空気はインタークーラーを通過後シリンダー内へ送られ、燃料と混合され爆発、その排気ガスを利用しタービンを回す。タービンで圧縮、インタークーラーを通ったエアを遠心式メカニカルコンプレッサーへと導く…というサイクルになるシステムです。

特徴は、CVTと遠心式メカニカルコンプレッサーは低速域で増速、高速域で減速させることが可能で、全域にわたって安定した過給圧が保てること。さらにふたつのコンプレッサーを直列にレイアウトすることにより、それまでのツインチャージシステムと比較して、過給機同士の干渉が無く、トルクの谷間の無いスムーズな過給が可能となるのです。

このSTSCシステム、クラッチミートは8500rpm、スタートと同時にボディがねじれるように加速し、2速にアップしてもその加速Gは衰え知らず。社内データのゼロヨン記録は10.42秒。身震いするような「これぞチューンド!」の感覚は、最高に気持ちいいのだとか。

が、この画期的なシステムはコスト面などからリリースされることはありませんでしたが、遠心式メカニカルコンプレッサーはMCLとしてシルビアやロードスター用としてリリースされましたね。

サーキットでは、1993年6月号で間瀬サーキットにて、市販のTD05-16Gツインターボ仕様、1.6kg/cm2、620ps/1万rpmのパワー、パワーバンドは6000〜8000rpmという超クロスされたGREX6速MTで全コーナーをパワースライドで駆け、当時のコースレコード1分5秒76を記録! サーキットでの本来のGT-Rの姿を見せつけたのです。

そして! 1994年4月号、OPT名物の0-300km/hテスト(0スタートから300km/hに到達するまでのタイムを計測)では、当時開発中だったTD06L2-20Gツインターボ仕様で驚異の記録を残しました。ブースト圧2.0kg/cm2、840ps/1万1500rpmのパワーはすさまじく、コントロールするのは至難の業。GREX6速MTは3速でもタイヤのスキール音が止まらず、記録はそれまでのトップタイムを1.68秒縮める24.68秒。最高速はその後、330.275km/hを記録。谷田部のテストコースでは限界かと思われる速さだったのです。

その後、全国のサーキットを転戦して行われた「ザ・プロフェッショナル・タイム☆バウト!」では、ギャラリーが見守る中、テスト無しの一発勝負で好タイムを叩き出す姿は、今のサーキットアタックの原点を作ったとも言えるトライでした。

そんな数々のステージから生み出されたパーツは数知れず。TD05、06、T78、88など、タービンだけをみても、このRXにより開発されてきたのがよく分かるのです。

ここには書ききれないほどのテスト&トライで酷使されたGReddy RXの偉い(?)ところは、ボディには一切、補強などの手を加えずにストリート仕様で挑んでいたことです。0-300km/hでも最高速でも、ボディの軽量化や補強などを施していればもっと良い記録が出せたかもしれませんが、ソコはトラストの「ストリート上等!」ポリシーの元、やらなかったのだと聞いていました。

そんなところが私自身、強く印象に残っており、今年の東京オートサロンで見かけた「RX」の名前にときめきを覚え、瞬時に飛びついたのでした。34 RXにはまだ、32RXのような「オーラ」は感じられませんでしたが、今後の34RXの、開発車両としての活躍に大いに期待しています!

Play Back the OPTION Spin off】by永光やすの

【関連リンク】(取材協力)

(株)トラスト
http://www.trust-power.com/







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Source: clicccar.comクリッカー

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