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【チューニング時代を築いた名車たち -1970年代-】市販車レースの興隆と共に改造が激化、メカチューン全盛期の到来【フェアレディZ × サバンナ】

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目次

レシプロエンジンVSロータリーエンジンの熱き戦い

FAIRLADY Z【S30】 ×  SAVANNA【S124】

1960年代にスタートした市販車をベースとした改造車レースが、さらに盛り上がり熾烈な戦いが繰り広げられた1970年代。レースデビュー以降50勝という金字塔を打ち立てたハコスカGT-Rや、そんなハコスカを打ち破り一躍レースシーンの主役となったカペラやサバンナといったロータリーエンジン搭載車などが登場したのもこの時代だ。

この当時、ターボがまだ普及していなかったため、出力向上策としては排気量の増大や高回転化を軸にしたメカチューン、つまりNAチューンを追求していくのが常套手段であった。

レシプロエンジンであれば、吸排気の高効率化から始まり、ハイカムの導入や圧縮比向上、燃焼室形状の最適化、バルブ径の拡大、そして排気量の拡大などによってエンジンの高性能化が図られていたのだ。そして、その手法は次第にストリートマシンにもフィードバックされていくこととなった。

同じく、ロータリーエンジン搭載車も初の量産エンジンを搭載するコスモスポーツ発表から積極的にレースに参戦して性能を高めていった。ポート形状やアペックスシールなど、ロータリーエンジンに関する研究開発において当時のレースは最適なテストフィールドとなっていたのだ。

そんな1970年代を代表する車両として取り上げるのは、今なお旧車として高い人気を誇るフェアレディZと、富士グランチャンピオンレースなどで活躍したサバンナRX-3。レースシーンで巻き起こったハコスカ&フェアレディZ VS サバンナの構図は、ストリートでL型 VS ロータリーというエンジン対決にまで発展していった。

そして、これらエンジンのNAチューンで養われたノウハウが、後に登場するRBエンジンや13Bエンジンという後継ターボエンジンのチューニングにも繋がっていくことになるのである。

PHOTO:Nobutoshi Kaneko

チューニング時代を築いた名車たち -1970年代-

MODEL YEAR 1969〜1978

FAIRLADY Z【S30】

Tuned by スターロード

速さも美しさも快適さも全てを備える作り込み

スターロードオリジナルのワイドボディキットで迫力のボディラインを実現したS30Z。程よく車高を落とした足元は、GLOWSTARのMS-BCBRで引き締めている。

仕上げられているのはエクステリアのみではなく、エンジンはL28改3.1Lのフルチューン仕様。ソレックスの44φキャブやオリジナルの排気系の組み合わせで約320psを発揮し、軽快な加速を見せる。

出力アップに対応するため、足回りには減衰力16段調整のオリジナル車高調を装着。さらに、フロントにR32タイプM用対向キャリパーを、リヤにシルビア用ディスクブレーキを移植するキットで制動力を高めるなどスキのない作り込みがなされている。

バツグンの走行性能を持つ一方で、オリジナルクーラーキットや、視認性の高いDefiメーターをインストールし、ナビやETCも完備するなど、ストリートを快適に走るための装備もフル搭載。

いかなるステージでも気兼ねなく思い通りのドライブが楽しめるよう仕上げられている。

ボディの最大幅は1850mmで、リヤには305/35-18というサイズのタイヤを飲み込んでいる。マフラーもスターロードのオリジナルで、出口はシングルだがメインパイプをデュアルとすることでロードクリアランスを確保したモデルだ。

オートサービスワタナベのフルカウンタークランクや鍛造ピストンを組み込んだL28改3.1L仕様エンジン。シリンダーヘッドも燃焼室加工や45/36.5φのビッグバルブ、作用角300度のハイカムを組み込むなどフルチューン。フリクションロスを低減しながら大発電量を確保できるブラックオルタネーターも装備する。

1970年代のチューニングにおいて三種の神器と言われたのが『ソレ、タコ、デュアル』の吸排気チューン。マフラーは高効率のシングルテールだが、キャブレターはソレックスの44φで、エキマニはスターロードオリジナルの48φ等長仕様となっている。

ホイールはGLOWSTARのブラックカットディスク&ブロンズアルマイトリム仕様。花のように広がるスポークが美しい。ホイールの奥にはリヤをディスク化し、フロントに対向4ポットキャリパーを装着したブレーキと、街乗りの快適性とサーキットでの走りを両立した車高調が装着されている。

メーターはデフィのアドバンスBF。タコメーター部分には80φの外周リングを製作して極めて自然にインストールされる。クーラーやナビも備えており、ドライブも快適だ。ミッションはクロスで、デフは出力向上に対応するためR200を搭載して強化している。

シャープな印象を与えるフロントフェイス。フロントグリルとバンパーレススタイルにマッチするスポイラーはスターロードのオリジナルアイテム。ヘッドライトは輸入車用のユニットを使ってプロジェクター化&HID化でアンチエイジングしている。

MODEL YEAR 1971〜1978

SAVANNA【S124】

Tuned by 美光ワークス

当時最強を誇ったマシンを再現! 独自の足回りチューンで速さを引き出す

『ロータリーに敵なし』とまで言われ、レースシーンではデビューからわずか4年数ヶ月で国内100勝を達成したサバンナ。このマシンはまさにその伝説のど真ん中にいた片山義美搭乗マシンのレプリカ仕様。黄色・緑・黒のボディに白いストライプが入った『片山ワークスカラー』となっている。

エンジンはサイドポート仕様の13Bエンジンに換装。ウェーバーのダウンドラフトキャブレターを装着したNA仕様で、その迫力ある吸気音や排気音は独特。

また、リヤの足回り、アームやデフなどにハコスカ用を流用。S13シルビア用のリヤブレーキシステムを移植することで、ディスクブレーキ化している。

ちなみに、当時のレースではウェット路面ではハコスカの足回りの方が安定性が高いと言われていた。このサバンナは、そんなライバルの長所を移植することで、さらに高い走行性能を身につけているのだ。

国内のレースを席巻した当時のワークスカラーを身に纏い、絶大なインパクトを演出。ちなみに、この車両は2016年のマツダのファンイベント『Be a driver.Experience at FUJI』で、春に急逝した片山義美氏に替わって息子の片山勝美氏が富士スピードウェイをドライブしている。

キャブのNA仕様のためすっきりとまとめられたエンジンルーム。エキマニはRE雨宮製で、マフラーはガレージ島オリジナルを採用して排気効率を高めている。増大する熱量に対応するため、ラジエターはコアの厚みを増す加工で水温を低く抑えている。

ロータリーエンジンにおいて重要な『良質な点火』を実現するために、和光テクニカルのC.D.I.やイグニッションコイルなどを導入。確実な点火によって燃焼圧力を有功にローターに伝達することが、スッキリと高回転まで吹け上がるロータリーエンジンの特性をより引き出している。

このサバンナもホイールはGLOWSTARをチョイス。レーシングな出で立ちだが、足元はオシャレにキめている。オーバーフェンダーによるワイド化でフロントには9J×15を、リヤには10J×15を装着している。

室内には6点式のロールケージを装着し、運転席にはフルバケットシートを装着。タコメーターやセンターコンソールに装着される追加メーターは大森製で統一している。ミッションは純正の4速MTからFC3S用の5速MTに換装されている。

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web option編集部

Source: clicccar.comクリッカー

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