仕事に家庭に忙しい日々を送る我々ホリデーライダーにとって、バイクで出かける長距離の旅は、日常のストレスからいっとき解放されて新たな英気を養うまたとない機会。そんなロングツーリングを快適にする頼りになる相棒として欠かせないのが、旅の荷物をひとつに収める大型シートバッグだ。本企画では特に50~70Lクラスのバッグを6点セレクトして、各製品の特徴や機能性をつまびらかに。本稿では、ソフトとハードのいいとこ取りを実現した「テールバッグ レースパック BCHTA0030210000」[エスダブリューモテック]を紹介する。
目次
ナローテール向けのボトム形状
SWモテックはこれまでの箱型とは異なり、丸みを帯びたおむすび型でスポーツ車とのデザインが合わせやすい。タンデムシート幅が狭いナローテールの車両にもぴったり安定する凹凸のボトム形状もウリになる。なので幅広のタンデムシートにはドンピシャではないものの、固定はしっかりできて安定する。
底面と前後面に型崩れ防止の樹脂プレートを内蔵し、ソフトバッグの柔軟性と軽さを持ち合わせながらも、ハードケースのようなしっかり感も特徴だ。
そして、キャリアがなく荷掛フックもない車両に装着できるポイントも見逃せない。ナンバーを固定しているボルトと共締めにする専用のD環ベルトがその要。これを装着すればバッグ後ろ側の固定ベルトの装着が簡単になる。バッグ前側の固定ベルトはタンデムステップのステーを利用すれば幅広い車種に対応できるはずだ。
丸み系のスポーツデザイン
底面の中央は凹み、後席の幅が狭いナローテールに対応。底面の両端には滑り止め加工が施され、積載時の安定感を高めている。通常の写真左の状態が一番拡張されていて、65Lの容量を確保している。50Lにまで容量を縮小する場合は2本の圧縮ベルトで容量を調節する。
反射材の位置に工夫あり
バッグ側面の白い部分は、夜間走行時の被視認性を高める反射材。サイドポケットの下側にも配置され、車体を傾けるコーナリング時や転倒時でも目立つようになっている。
バッグの容量を調節する圧縮ベルトは、バッグの天面に荷物を固定するベルトにも使える。
シートバッグを取り付けてみる
(テスト装着車:CRF1000Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ)
【POINT1】ベルトの端にD環が付いた装着具を、ナンバーを固定するボルトと共締めする。これが後ろ側の固定ベルトとつながる。
【POINT2】バッグ前側の固定ベルトはタンデムステップを利用。あとは固定ベルトを鉄製バックルに通してテンション調整すればOK。
装着後はこんな感じに仕上がる
バッグ自体のかさが最も高くそのままではまたがりにくいが、乗り込み方を工夫すればそれほど気になるものではない。独自の固定ベルトにより、バッグを積載する前後位置に自由度があり、適正な乗車位置を確保しやすい。
開口部は幅55cm×奥行25cm(編集部計測)。レインカバーはアウター式ではなくインナー式を採用。バッグの内部形状に合うようにおむすび型になっている。
各サイズまとめ
幅70cm、高さ40cm(縮小時30cm)、奥行45cm
たたむと幅70cm、高さ30cm、奥行45cm。収納用としてバッグは折りたためないものの、付属の圧縮ベルトでバッグ上部を軽く曲げ、容量を縮小できるようになっている。収納サイズとしてはかさがあって大きい部類になってしまう。
●重量 2960g(編集部計測)
●容量 50〜65L
●色:黒×灰
●機能 マットホルダー、レインカバー、ショルダーベルト、リフレクター
●税込価格 3万8880円
●問:アクティブ TEL:0561-72-7011 http://www.acv.co.jp/
【参考:テールバッグ スピードパック/テントバッグ】
収納力を求めるなら総容量90Lのスピードバックがおすすめ。さらに別途でテントバッグを追加すれば+22Lを増量できる。
【大型シートバッグ6選比較レビュー】
#1:キャンピングシートバッグ2 MOTOFIZZ[タナックス]
#2:キャンプツーリングシートバッグ[イガヤ]
#3:HenlyBegins ツーリングシートバッグ DH-724[デイトナ]
#4:ツーリングリアバッグ78[ゴールドウイン]
#5:BWPラフクルージングバッグ[ラフアンドロード]
#6:テールバッグ レースパック[エスダブリューモテック]
●撮影:長谷川徹、松井慎、飛澤慎
●文:飛澤慎
Source: WEBヤングマシン