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【NEWS】F1の名門ウィリアムズが関連する「デンドロビウム D-1」が本格始動!?

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英国の新興EVメーカー、デンドロビウム オートモーティブ リミテッドが10月25日付けで、純EVのハイパーカー「デンドロビウム D-1」を英国内で生産する意向を明らかにした。

筋金入りのEV通を別として、デンドロビウムというメーカーの知名度はまだ低いと思われるので、今回の発表にいたるまでの経緯を説明しておこう。

そもそもD-1のアイデアは、シンガポールに本拠を置くバッテリーテクノロジーを専門にする企業ヴァンダ エレクトリックス社の所産。1990年代中盤には、デザインコンセプトモデルも製作している。

しかし、シンガポールには生産を託せる自動車メーカーがない。そこで彼らが目を向けたのが、高性能車造りのノウハウと技術に豊富な歴史とバックグラウンドを持つ英国。なかでもウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングを選んだのは、それなりの理由があったと思われる。

F1の名門ウィリアムズ・グランプリ・エンジニアリングの関連企業である、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングは、フォーミュラEのバッテリーシステムを供給するほか、市販EV向けの汎用シャシーを発表するなど、かねてよりEVの開発に積極的に取り組んでいる。

彼らの立証済みテクノロジーがあれば、D-1の実現に向けて大きな一歩を踏み出せる。そう考えたヴァンダ エレクトリックス首脳陣は2016年、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングにデザインスケッチを提示し、実働するショーカーを製作して欲しい旨を伝える。かくして2017年のジュネーブ・ショーに最初のプロトタイプが展示されたのだった。

さて、本題のD-1だが、その実体はほとんど明らかになっていない。車両のほぼ全体をCFRPで造り、一部にアルミを併用して設計目標車重を1750kgに設定した。軽量構造の骨格をなすのは「プロトセル」と呼ばれるカーボンモノコックタブ。D-1が実現して以降、デンドロビウムが製造する予定のEVにも使える汎用性が特徴だ。

D-1には「バイオエアリアルロコモーション」と呼ばれるユニークなドアとルーフの開閉機構も採り入れられる。社名のデンドロビウムとは植物のランの一種で、それが開花する様子を模したシステムだという。

デンドロビウム オートモーティブ会長兼CEOのナイジェル・ゴードン-スチュワートは「EVへのシフトは今後100年のなかでも最大の革命。英国のエンジニアリングが世界ベストの地位を確保するには、シフトするタイミングが極めて重要です」と前置きして次のように語る。

「デンドロビウムはパワートレインのすべてを自社製作し、バッテリーセルも安定的にパワーを発揮できる目処がつき次第、自社製を使うつもりです」

ゴードン-スチュワートがここまで「純英国製」を強調する裏には、EU離脱に伴い、自国の主導権を駆使して、かつて威光を誇った「グレートブリテン」の復活を目論む自負も見え隠れする。

関係者の思惑をからめつつ10月25日の発表を迎えたデンドロビウムD-1。果たして英国製純EVハイパーカーは実現するのか。今後の動向を見守りたい。

TEXT/相原俊樹(Toshiki AIHARA)

【関連リンク】
https://dendrobium.com/about-us/

(GENROQ Web編集部)

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Source: clicccar.comクリッカー

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