10月26〜28日に鈴鹿サーキットで開催されているFIA WTCR世界ツーリングカーカップ2018シリーズ第9ラウンド「JVCケンウッド・レース・オブ・ジャパン」。
日程としてはスーパーフォーミューラ最終戦と併催となり、そのWTCRの予選が26日に行われました。
WTCRは、昨年まで開催されていたWTCC世界ツーリングカー選手権に代わって行なわれる世界を転戦するツーリングカーレースで、世界シリーズとしては今年が初年度となります。
メーカーやコンストラクターがTCR規格によって製造したレーシングカーをそのまま使うことによりレースにかかるコストを抑え、なるべくイコールコンディションになるように規則が決められています。
第9ラウンド「JVCケンウッド・レース・オブ・ジャパン」では、レース1が9周、レース2が9周、レース3が11周と超スプリントレースなっているのも特徴。スプリントならではの接近戦が繰り広げられ、これまでのラウンドでは派手なクラッシュも続発しています。
第9ラウンド「JVCケンウッド・レース・オブ・ジャパン」の中で決勝レースは3回行われますが、予選は2回となります。決勝レース1のグリッドを決めるのは予選1。この予選で決勝レース1のポールポジションを獲得したのはプジョー308TCRの7号車オーレリアン・コンテ選手。
決勝レース3のグリッドを決めるのは予選2。その決勝レース3のポールポジションは31号車アルファロメオ・ジュリエッタ・TCRのケビン・チェコン選手となります。ところで決勝レース2のグリッドはどうやって決めるのでしょうか?
決勝2のグリッドは予選2の上位10台がリバースグリッドとなります。つまりポールポジションは予選2の10番手。ここには74号車クプラTCRのペペ・オリオラ選手が入ります。
ところでクプラってクルマ聞いたこと無いですよね?
クプラ(CUPRA)とはCUP RACINGの略でスペインの自動車メーカーSEAT(セアト)のハイパフォーマスブランド。メルセデスベンツに対してのAMG、日産に対してのNISMOのようなブランドです。
SEATはフォルクスワーゲングループのメーカーで、このクプラはVWゴルフやAUDI A3とプラットフォームを共用しています。しかしWTCRではVW、AUDIとライバル関係となり熾烈な争いを繰り広げているのです。
SEAT CUPRAの親会社ともいえるフォルクスワーゲンはGOLF TCRで参戦。日本でもスーパー耐久のST-TCRクラスに参戦しているので馴染み深いマシンではありますが、元々はWTCRなどのスプリントレース用に開発されたマシンなのです。
スーパー耐久にも参戦しているといえばAUDI RS3 LMSも忘れてはなりません。ハッチバックばかりのWTCRマシンの中で唯一セダンで参戦。プレミアムブランドとしての存在感を放ちます。
そしてスーパー耐久では最終戦を待たずに2018シリーズチャンピオンマシンとなったCIVIC TCR。WTCRでは5台もの大量エントリー。中でもコロネル選手やモンテイロ選手などWTCCの頃からの有名選手が乗っていることでも注目されています。
前述のSEAT CUPRAと並んで日本では馴染みが薄いと言えるのがHYUNDAI i30 N TCR。
韓国のHYUNDAIが送り出すTCRマシンですが、現在のランキングトップとなっており、ドライバーもWTCCでは世界チャンピオンとなったこともあるイヴァン・ミューラー選手もドライバーとして名を連ねます。
これら7メーカー25台が参加してFIA WTCR世界ツーリングカーカップ2018シリーズ第9ラウンド「JVCケンウッド・レース・オブ・ジャパン」が競われます。超スプリントレースなのでかなり派手なドライビングが期待できるでしょう。
この鈴鹿でのWTCRの戦いはスーパーフォーミュラーとダブルメインレースとして10月27日14時05分から決勝レース1、10月28日11時からレース2、12時30分からレース3が行われます。
日本ラウンド直前に開催された中国ラウンドのハイライト動画でこのレースの凄さを感じてみてください。
(写真:高橋秀彰 文:松永和浩)
あわせて読みたい
Source: clicccar.comクリッカー