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輸出用フォレスターの積み込みにカーシッピングの職人技を見た。ドアが開けられないほどピッタリに積むから鍵は付けっぱなしでOK

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SUBARUのグローバル販売において、中心モデルへと成長しているのがフォレスターです。初代はターボモデルだけの尖ったクロスオーバーでしたが、いまや2.5リッターエンジン車を中心としたSUVへと進化したのは、それだけ販売規模が大きくなっていることの証でしょう。

とくに北米では、若者から高齢者まで幅広い層に支持されているというのもフォレスターの特徴といえます。

そんなフォレスターは、世界で販売されているすべての車両が、日本(群馬県)で作られているのです。つまり北米向け、中国向け、その他の地域向け、すべてを輸出しているというわけです。

クルマの輸出となると、ごく一部の特殊な例を除いて船に積んで海を渡ることになります。埠頭に置かれた車両を船に積んでいくシーンは、ニュース映像などで見かけることも多いでしょうが、今回その船積み作業(英語ではカーシッピングと言います)を見学することができました。

積み込んでいるのは車両運搬専用の船、見学したのは日本郵船の「ハーキュレス リーダー」です。全長が約200m、全幅は32.2mという大きな船体は12階構造で、およそ4900台の乗用車を積むことができるキャパシティを持っています。

2か月をかけて北米(東海岸)まで向かうということですが、その動力源となっているのは、総排気量649,980cc(649.98L!)の2サイクルディーゼルターボ。最高出力は15,540kW/104rpmといいますから、自動車の感覚とはまったく違う回り方をするエンジンです。ちなみにボア×ストロークは600mm×2300mm、燃料はC重油。これを120度まで温めてエンジンに供給しています。

その船内を覗いて見ると、まさに北米に輸出されんとしている新型フォレスターが文字通りギッシリと搭載されていました。なんでも、車両の間隔はドア間で10cm、バンパー間で30cmと本当にギリギリに停まっています。しかも、このクリアランスに積み込むのには時間もかかっていません。ドアミラーを畳んだまま、躊躇なくわずかな隙間で並べていくのは職人技です。

ちなみに、船に積み込んでいるドライバーがそのままギリギリに停めているわけではなく、積み込むドライバー、きっちりと配置するドライバー、ラッシングベルトで固定するスタッフと、明確に分業制となっています。だからこそ、素早く正確に積むことができるのでしょう。

北米向けということで左ハンドル車ですから、向かって左から順に停めていきます。そしてスタッフがドアを開けるとドライバーが降りてきて、すぐさまその脇に別のクルマを停めるといった具合。ギリギリに停めているのでドアを開けることはできませんから、鍵は付けっぱなしで、端っこのクルマだけ鍵を外して管理しておけば盗まれる心配もないのだそうです。もっとも港を出てしまえば海上を航行しているわけですから盗みようもないのですが……。

また、積む下ろしでは、それぞれ複数の港に立ち寄るため、効率的な積み付け方法を考えるのが、輸送を担当する日本郵船のノウハウ。一見すると、埠頭に並べてあるクルマをただ積み込んでいるようにも見えますが、どの順番で積むのかまできっちり決まっているといいます。大胆かつ繊細、計算し尽くされた作業によって船内にビッシリと新型フォレスターが積まれていく様は圧巻の一言でした。

(写真:SUBARU 文:山本晋也)

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Source: clicccar.comクリッカー

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