関西を襲った台風21号や北海道の胆振東部地震で、広域&長時間の停電に見舞われた。言うまでもなく今や電気は空気や水と同じくらい重要なライフラインとなっており、文明社会の基礎を支えている。停電すると様々な影響が出てしまう。今回の台風と地震で大きな課題となったのは、コンビニのレジと携帯端末の充電だ(改めて書くまでもなく病院などは非常用電源が必要)。
こういった時に絶大な威力を発揮するのが、ハイブリッドやPHVに代表される電動化車両である。例えばアウトランダーPHEVの場合、100V-1500Wの家庭用AC電源のコンセントが付く。ここにソケットを繋ぐと、1度に100台程度の携帯端末なら余裕で給電可能。しかも走行用電池が満充電状態であれば10時間程度エンジン始動せずに電力の供給を続けられるから素晴らしい。
もちろん電池残量無くなると自動的にエンジン始動して発電機を稼働させてくれる。三菱自動車によれば「ガソリン満タンだと10日間くらい電力供給が可能です」(エスティマHVも100V-1500Wのコンセントが装備されている)。携帯の充電時間は2時間程度。1度に100台×12のトータル1200人分の携帯端末を10日間維持していけることになる。凄いポテンシャルです。
2011年の東日本大地震と状況は変わった。胆振東部地震では札幌など大都市で携帯端末の充電難に見舞われたけれど、街角のコインパーキングなどにアウトランダーPHEVとエスティマHVを並べておけば容易に充電インフラを構築出来る。地方自治体などで停電時の緊急充電インフラ用車両として募集し、自動車税など優遇措置をするといったシステム構築したらいい。
コンビニのレジも同じ。北海道を地盤とする『セイコーマート』はクルマのシガーライターから電源を引っ張り”ほぼ”全店で営業を続けたのに対し、他のコンビニチェーンは商品あるのに休業したり、営業しても会計に時間掛かり長い列になった。レジで消費する電力などわずか。セイコーマートのようにシガーライター接続し交流100Vへ変換するインバーターで足りる。
もう少し大がかりにやるのなら、プリウスなどハイブリッド車に大容量インバーターを繋げばよい。ハイブリッド車は普通のガソリン車より大きな容量の直流をエンジン停止状態から発生させている。普通のエンジン車だと100V-100W程度が限界ながら、大容量インバーターを使うことによりハイブリッド車ならアウトランダーPHEVと同等の100V-1500Wが可能。
これだけの電力があれば、レジだけでなく店内のLED照明を全て点灯させてもおつりが来る。被災した際、夜にコンビニの電気が点いていたらどんなに心強いことだろう。これまたコンビニ1店舗あたりハイブリッド車を1台配すだけでOK(40W型LEDなら30本点けて600W)。2台あるとコンビニのレジの他、駐車場で携帯端末の充電ポイントとして活躍出来る。
電動化車両は素晴らしいポテンシャルを持つ。もちろん電動化車両をマイカーとして持っていたら鬼に金棒だ。1500Wあると冷蔵庫+照明+エアコン+TVくらい稼働させられる。水さえ確保出来ていたら、救難物資届く数日間は困窮出来ず過ごせることだろう。
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Source: clicccar.comクリッカー