目次
起きたこと
納車2ヶ月のプジョー3008が交差点でエンジン故障し停止。車の購入元であるネクステージにレッカーで入庫 誤った修理内容を提示された上に約3ヶ月放置。さらに、約16万円請求されかけるも、自力でのエラーコード解析と正規ディーラー入庫により、先日無事修理完了となりました。 今回の経験から、「中古車業車は100%信用してはいけない」ことを学びました。当方は車に関わる仕事をしているため、コードを確認することで業者の不審な点を見抜くことができましたが、 一般の消費者では見抜くことが難しく、今回のようなケースの場合、泣き寝入りとなってしまうだろうと思います。 昨今の半導体不足による新車の納期長期化で中古車の購入を検討されている方も多いかと思いますが、一旦立ち止まり、「信頼できる業者か」、「保証期間はスペックに対して十分か」などをしっかり考えた上での判断をお勧めします。 中古車販売業車大手であるビックモーターの不正が問題となる中、自身の経験をシェアし、同じような状況にある方の助けになればと思います。
故障時の状況
以下故障時の動画です。スターターは回るがエンジンかからない状態。
レッカーで運ばれる様子。片側2車線の右側での停止のため多大な迷惑をかけてしまいました。
購入した車
故障した車は20年10月初年登録の「プジョー 3008 BlueHDI」です。 納車時と、故障時の走行距離は以下で比較的少ない部類になるかと思います。
納車時 | 故障時 | |
走行距離(km) | 16,030 | 18,123 |
日にち | 2022年11月14日 | 2023年1月8日 |
経緯
以下に経緯をまとめてみました。 ①納車から1.5ヶ月後にエンジン故障しレッカーでネクステージへ入庫。 ②2~3週間で解析内容の連絡「アドブルーポンプ※故障」が来ますが、アドブルーポンプと故障時の挙動が繋がらず1/24にエラーコードを担当者から入手します。 ※アドブルーポンプ:NOx排出物質を化学的に分解することを目的としてディーゼル車の尿素SCRシステムに使用されるポンプ ③修理費用の見積もり(約16万円)がネクステージからきます。部品手配にGOをかけますが、納期は長期となりいつ入るかもわからないとのこと。 ④エラーコードを調べていくと電子ユニット系の通信エラーが多発していることがわかりました。アドブルーポンプの故障である場合、これら電子ユニット系エラーが説明がつかないため、少なくとも「アドブルーポンプの故障ではない」と考えました。 「弱電系統の断線ではないか」と考え、担当者へ断線系の調査を行なってほしい旨お願いしましたが、「アドブルーポンプ故障」の一点ばりであったため、2月中旬に正規ディーラーへの再入庫を決意します。 ⑤レッカー業社から「搬出をお断りされた」旨の連絡が当方に。ネクステージからレッカー業社へお断りの連絡が入ったようです。ちなみに両者と事前調整を済ませていました。 ⑥両者と再調整を実施の上、無事正規ディーラーへ入庫が完了します。 ⑦即日故障内容の連絡がディーラーより入ります。故障は「燃料ポンプの電源系統断線」でした。テスターで断線箇所がすぐにわかったとのこと。 ⑧1週間程度で修理完了。無事引き取りました。
ポイント(消費者視点)
誤った対応で修理を進められ、時間もお金も無駄にしてしまうか、これを回避し修理を早期に完了させるか。この分岐点となったのは「エラーコードの入手」です。 自動車には、機能に不具合が生じた際にそれを「故障コード」として記録することが義務付けられています。 この、故障コードはDTC(Diagnostic Trouble Code)といい、標準化されています。 このため、Googleなどで検索すると、どういった内容の故障かを判断することが可能です。 例えば、U〜は、通信系のエラー。P〜は駆動系のエラーとなります。今回はU〜が多発していたため、「アドブルーポンプ故障」との関連性に矛盾があると考えることができました。 これに加えて、やはり、「正規ディーラーへの依頼」が大きなポイントになると思います。正直、「中古車業社も正規ディーラーも対応に差はないだろう」と考えていましたが甘かったです。 急な故障においても初動がとても大事です。故障に対する知見や部品在庫の観点からも正規ディーラーへの入庫を100%お勧めします。
損失
ネクステージへの入庫によって発生した損失を計算してみました。 故障地から初回入庫業社までの陸送は保険で対応可能ですが、それ以降は自責扱いのため実費となります。 自力での調整に要した時間と、ネクステージに預けていた期間を金額に換算してみました。
金額(円) | 備考 | |
レッカー費用 | ¥37,500 | レッカー#1キャンセル、#2代金 |
調整時間(5h) | ¥20,000 | |
N社預かり期間(79日) | ¥133,495 | 車両価格365万円 6年減価償却として1日あたり1690円*79日 |
合計 | ¥190,995 |
問題点と考察
具体的に今回の事例を振り返り、「どうあるべきか?」を掘り下げてみます。 TOP事象は「不信感」とし、故障対応と納車対応に分けます。
Why? | Why? | Why? | Should be | ex.) | |
故障対応 | ①故障解析能力が低い | 故障原因の特定を間違った | 特定の1コードで故障原因を判断 関係のない事例から判断 | 全コードを確認し原因を特定することが必要 必要に応じてテスターなどで電圧系統をチェック | 複数ユニットのエラー、アクチュエーターのエラーの場合、断線を疑う |
②ビジネス視点の判断が悪い | 消費者に修理方法の確認をする 原因に自信が持てていない事を隠す | ロジカルにAdBluePump故障と断言できない状況でAdBluePumpの交換を提案 | 修理完遂に自信がないのであればその旨を正直に伝える。正規ディーラーでの対応を推奨する | 知見が不足しているため正規ディーラーでの対応を勧める | |
③時間をかけすぎている | 入庫から見積もりまで15日要している | 正規ディーラーからは1日で原因特定の連絡と修理完了見込み日の連絡をもらっている | すぐに対応できないのであれば対応できそうな見込み日を連絡するべき | 別件対応が〜までに必要で確認できるのが〜ころになる など | |
④ガバナンスが効いていない | 入庫から正規ディーラーへ再入庫するまでの80日間、担当者との1対1のコミュニケーション。上司は1度も出てこない | 見解が個人の判断なのか、会社としての判断なのかわからず不安につながる。ますます修理方針が不安になる。 | 上司をCCに入れるか、電話で修理内容を説明するのが筋 | 上司から顧客に電話をする or メールCCに上司を入れる など | |
納車対応 | ①納車時整備が雑 | 内装のプラスチックカバーの取り外しを対応してもらったが、内装に傷がたくさんついている 費用を払ってコーティングをしてもらったが汚い | 傷のつき方から、マイナスドライバーなどで、無理やり外したと思われる。また、そもそも取り外し漏れがあり雑な印象を受ける | 対応するのであれば丁寧に扱うべき。ドライバーで外す場合内装(ハードプラ)に傷がつくことは容易に想像できるはず | 工具の先端に当て布をするなど |
②保証が1ヶ月しかついていない | ネクステージの場合、輸入車の保証は1ヶ月のみとなる | 1ヶ月以上経過した車の故障は全てオーナー責任である | 保証体系を走行距離に応じて変えるべき | 2万キロ以内は半年、2〜5万キロ以内は3ヶ月、5万キロ以上は1ヶ月など |
まとめ
今回は私が体験した内容をお伝えさせていただきました。中古車の購入が初めてでありましたが、今後購入することはないと思います。 入庫先の調整はかなり苦労しましたので、まずは車が故障した際は正規ディーラーへ相談し修理方針を双方で納得した形で進めるのがベストです。 自動車のシステムは複雑化しているため、消費者視点では故障や修理内容を把握することはとても困難です。このような中で、今回の事例が何かの役に立てば幸いです。