5月26日(土)レッドブル・エアレース予選日の朝、浦安の臨時飛行場兼ハンガーで取材の機会があり、数名の選手の話を聞けました。室屋選手は囲み取材で日本人メディアに対応します。
初の母国3連覇について注目が集まりますが、「皆さん(メディア)の方が心配されている。我々は出来る事をやります」と、力みや緊張を感じさせない普段通りの室屋選手です。
また小型化された垂直尾翼の効果については、手に入れる速さと繊細さ(=操縦性の悪化)はトレードオフであるとの説明がありました。
クリスチャン・ボルトン選手のテクニシャンをしている西村さんに同じ話をしたところ、「操縦性とバランスを重視しているので(ボルトン選手の機体に)導入は考えていない。」とのこと。
交換すれば速くなる夢のアイテムではなく、飛行技術世界一を目指す室屋選手だから使えるスペシャルアイテム…ということの様です。
前日、強風でスラロームをうまく飛べずVTM(垂直上昇ターン…に上手く繋げない)で失速する選手が目立ったので、室屋選手はどうだったのか尋ねると、「失速よりは(引き起こす瞬間の)オーバーGの方が心配は大きい」そうで、「失速は背面飛行の寸前に感じなくもないですが、やはりGコントロールの方に注意を割いている」との事でした。
室屋選手の予想では無風だとトップタイムは54秒台とのことで、昨日より3秒アップが必要となります。
前戦(カンヌ)優勝のマット・ホール選手にコースの印象を伺ったところ「昨年と印象はあまり変わらない」との事。
FP1で3番手タイムのペトル・コプシュテイン選手は「勝負のカギは風」と昨日強く吹いた風を警戒していました。
この2つの点については話を伺った選手の多くが注意を払っていた様です。
今年、マスタークラスにデビューしたベン・マーフィー選手。
昨年引退したペトル・コプシュテイン選手の機体を引き受けました。昨年までの機体の特徴であった”下向きウイングレット”を取り外し、上向きウイングレットに変わっていました。この変更について聞いてみると、 「F1もコースによって空力セットを変えるでしょ」と云う事で、コース特性によって交換をするのだとか。
最近好調なマイケル・グーリアン選手に理由を尋ねると、「特にどこを大きく変えたという事はなく、細かな開発の積み重ねだよ」と答えてくれました。
FP2、FP3では強風が収まり、好タイムが出始めます。昨日はターン7(ハイGターン)を全選手が水平に飛んでいましたが、ここを上昇し半径を小さく周る選手が過半数となりました。
最速はピート・マクロード選手の55.262で、室屋選手は57.806でした。ただし、このタイムはエアゲート通過時の高度違反(Too High)で2秒加算されたタイムで、タラレバですがノーペナルティならば2番手相当のタイムです。
FP3で室屋選手はこの1本だけを飛び、飛行を終了。予選に備えたようです。
FP3ではグーリアン選手が1本目でDNF(12Gオーバー)となり記録なしですが、上位10名は依然として2.5秒程の中にひしめいています。この後、いよいよ予選が開始されます。
(川崎BASE・photo:Y.Kanoh)
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Source: clicccar.comクリッカー