新型シビック セダン&ハッチバックは同タイプRと全く同時期に開発がスタートしました。このためボディ剛性は、最初の時点からタイプR水準が求められています。結果として随所にハイテン鋼材が多く用いられる、骨格の太い屈強なボディーが出来上がったわけです。
しかし、素材や形状以外にもう一つ、シビックの車体では注目するべき点があります。それは、特殊構造のモノコックボディです。
一般的なモデルではアッパーボディとアンダーボディを別々に組み上げて結合していましたが、今回のシビックでは主要な骨格をまずは組み上げ、最後にアウタースキンを貼るような形で外版パネルを装着する「インナーフレーム構造」を採用しています。
これによって基本的なボディ剛性を高めると同時に、後付けの剛性強化パーツを追加しないことで軽量化にも寄与しています。さらにタイプRとハッチバックでは大開口部であるリヤゲート周りで不足しがちな剛性を確保するため、ダンパー取り付け部分とテールゲート部分をつなぐループ構造の内部フレームを作り出しました。
今回紹介しているセダンでは、もともとリヤゲートがないため剛性は高くできるのですが、さらに念を入れてトランクスルー開口部周辺を分厚い骨格で覆うなどして強度が落ちることを徹底的に嫌っています。
このようにして主要骨格部分を太くしたシビックですが、やみくもに作っていくと各ピラー部分が太くなり視界が悪くなります。そこでシビックシリーズではAピラー部分は剛性を確保しつつも可能な限り細くして視界が大きく開けるようにしていることが特徴的です。
実はホンダでは、スポーツモデルでも視界の良さを確保することはマストとされています。たとえば現行NSXにおいても視界は非常に開けているのが確認できます。
こうした経緯で作られているボディを持つシビック セダンですから、乗ってみると非常に車体がしっかりしてることがわかります。また同時に視界が広々としているので常に確信を持って運転し続けることができます。
これらが相乗効果を持つことでロングドライブでも疲れずにハイペースで走れるという、本モデルならではの特徴を作り出すことに成功しているのです。
(ウナ丼)
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Source: clicccar.comクリッカー