2018年3月10~11日の土日に鈴鹿で実施された2018モータースポーツファン感謝デーを取材した佐藤寿宏さんの「通信」をお届け。国内、海外、レースがある様々な現場から届く「通信」は、日本人選手の動向を中心にレポート。今回は、JSB1000に参戦するホンダとヤマハのファクトリーチームの話題を中心にお届け。
CBR1000RR SP2は鮮やかなトリコロール
今年は3月の2週目の週末に三重県・鈴鹿サーキットで開催された2018モータースポーツファン感謝デー。入場無料ということもあり、土曜日は23000人、日曜日は27500人ものお客さんが訪れました。グランドスタンドがいっぱいになるのは、なかなか壮観な眺めですし、これがレース本番なら選手もやる気倍増と言ったところでしょう。
今回の“ファン感”で、Team HRCがニューカラーを、ヤマハは、YZF-R1、20周年を記念したカラーを初お披露目と言うことで、当初は月曜日のプロモーション用の撮影がメインだったので、日、月で鈴鹿に行く予定でしたが、急きょ土曜日から入ることに変更しました。前述の通り大人気のイベントですから、ホテルも空いておらず、何度も見ながら、ようやく宿を予約しました。
さて、ファン感、最初の目玉とも言えたTeam HRCのニューカラーのお披露目。デモランするはずの“たっくん”こと高橋巧は、レーシングスーツを着ないで宇川徹監督と共に登場し、2人でベールアウトし、ニューカラーを発表しますが、たっくんの左手には包帯が巻かれていました。実は、このイベントの直前の3月6日(火)にトレーニング中に転倒し左手薬指にヒビを入れてしまいます。バイクで走っていたわけではなく、自分自身の足で走りながらスラロームをタイムアタックするメニューをこなしていたところぬかるんでいた土に足をすくわれ、全体重が左手にかかってしまったとのことです。撮影で一度だけ包帯を取って、レーシングスーツを着てもらったのですが、そのとき左手を見たところ、腫れは引いており、それほど酷くは見えませんでした。ただ、折れているという診断なので、3月20日(火)・21日(水・祝)に行われるツインリンクもてぎでの事前テストへの参加は微妙なところです。早い回復を祈るばかりですね。
さてHRCのニューカラー、皆さん、どう思いますか? 「やっぱりHRCはトリコロール」「ワークスカラーカッコイイ」「昭和っぽい」「イマイチだなぁ」となど賛否両論みたいですね。個人的にはアメリカホンダみたいなウイングマーク基調の方がカッコイイと思うのですが、ワークスカラーと言えばトリコロールですね。今年のカラーは、市販モデルを基調としているようですが、アンダーカウルのHondaロゴの処理は微妙ですよね。まぁ、たっくんが速く走ってくれればカッコよく見えるんでしょう。
YZF-R1の20周年カラーはJSB1000限定
一方、ヤマハは、YZF-R1が20周年ということでYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と野左根航汰が特別カラーで参戦。こちらも初お披露目となりました。こちらはヤマハブルーを基調に白のストロボライン(ヤマハ用語でスピードブロック)をアンダーカウルにあしらい、初期型YZF-R1のロゴがバーンと入っていますが、全体的にはシンプルな感じですよね。今のところ全日本JSB1000クラス限定カラーだそうです。
月曜日には、ファン感謝デーに参加したメンバーによる1時間2本の合同テストがありました。ここでは、中須賀が仕様違いのサスペンションをテストしながらも、他のライダーが2分07秒台を切れない中、一人だけ2分06秒台を連発! 昨年は17インチタイヤとのマッチングに悩み自滅感がありました。それだけにタイトル奪還に向けて再びモチベーションが上がってきているようでした。
たっくんは、当然合同テストに参加できず、来週の事前テストで走ってみて左手の様子を見たいところでしょう。Team HRCが復活し、全日本でもワークス同士のHY戦争が復活。2レース制も増え、今年の全日本JSB1000クラスは、おもしろいですよ~! ぜひサーキットに足をお運びくださいね~!! って、どこでやるかって? 開幕戦は4月7日(土)・8日(日)に栃木県ツインリンクもてぎで、第2戦は4月21日(土)・22日(日)に三重県・鈴鹿サーキットで開催されます。どちらもJSB1000クラスは、2レース制なので、土曜でも日曜でもレース観戦ができますし、第2戦は、4輪のスーパーフォーミュラと併催の2&4レースなので楽しめますよ~。
●文/撮影:佐藤寿宏(ことぶき)
Source: WEBヤングマシン