3月9日~18日の日程で開催される平昌パラリンピックの競技種目「アルペンスキー」では、滑降(ダウンヒル)、スーパー大回転(スーパーG)、大回転(ジャイアントスラローム)、回転(スラローム)、スーパー複合(スーパーコンビ)の5種目が予定されています。
中でも「チェアスキー」と呼ばれるマシンを使用して行う座位カテゴリーは、時速100kmを超える速度で雪面を滑り降りる迫力が魅力。その「アルペンスキー」で金メダル獲得を目指す森井大輝選手が、トヨタ自動車の車両開発陣と共に高性能なチェアスキーを開発する様子がTV番組(WOWOW)で放映されました。
森井選手は4歳からスキーを始め、アルペンスキーやモーグルに夢中となり、インターハイ出場を目指していましたが、1997年にバイク事故で脊髄を損傷し、その後は車椅子の生活を余儀なくされます。
しかし、翌年の長野パラリンピックを入院先のテレビで見たことがきっかけで、「チェアスキー」を始めることになり、2002年にソルトレイクパラリンピックに初出場。2006年のトリノパラリンピックでは大回転で銀メダルを獲得、2010年にはバンクーバーパラリンピックの滑降で銀メダル、スーパー大回転で銅メダルを獲得するなど、国際大会で数々の結果を残します。
その後も、2014年のソチパラリンピックではスーパー大回転で銀メダルを獲得。3大会連続メダリストとなりますが、森井選手が唯一獲得出来ていないのがパラリンピックの「金メダル」。
そこで今年3月の平昌パラリンピックで念願の金メダル獲得を目指し、厳しい自主トレーニングを積む一方で、使用するマシン「チェアスキー」についても滑走タイムの縮小に繋がる軽量化や剛性アップを図ることに。
「チェアスキー」の構成部品にサスペンション(コイルバネ)やリンク機構が使われることから、トヨタ自動車のシャシー設計部を交えた共同開発が始まりました。
チェアスキーの時速100kmを超える滑りとサーキットにおける車両の挙動が似ていることから、トヨタGAZOOレーシングの脇阪選手も開発に参画。
そして、トヨタ自動車試作部の技術力を活かしてアルミ製「チェアスキー」の試作パーツを完成させます。
動画では試走の様子が収められており、これまで使用していたマシンに対して格段の性能向上が図られているようです。
トヨタ自動車のサポートを得た森井選手の「金メダル」獲得に向けた熱い戦いがまもなく繰り広げられようとしており、今後の展開が大いに注目されます。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA、WOWOW、PARASAPO)
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【関連リンク】
時速100kmで滑走する、超人を見たか。(トヨタ自動車)
http://toyota.jp/wows/special/sports/morii/
WOWOW
http://www.wowow.co.jp/sports/whoiam/lineup/morii/
日本財団パラリンピックサポートセンター
https://www.parasapo.tokyo/sports/alpine-skiing
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Source: clicccar.comクリッカー