新型CR-Vのハイブリッド仕様「ハイブリッドEX マスターピース」(全長4605×全幅1855×全高1690mm・車重1700kg)に試乗しました。駆動方式は4WDで、価格は436万1040円です。
システムにはヴェゼルやフィットなどに使われている1モーターのi-DCDとは異なり、モーターを2つ使用するi-MMDが採用されています。これはステップワゴンやオデッセイ、アコードなどと同タイプです。
一般的にハイブリッドというとエンジンとモーターが半々ぐらいで作動するようなイメージがあると思います。しかし、このi-MMDは基本的にはモーターで走るEVがベース、と考えると理解しやすくなります。
通常走行時はEVとして、バッテリーに蓄えられた電力でモーターを動かしタイヤを駆動します。
強い加速力が必要な場面ではエンジンが起動して発電、その電力がモーターに加わります。このときエンジンが発電のために使うのが第2のモーターというわけです。
これによってパワフルな走りが可能になります。
そして、高速道路での一定速走行などエンジン単体運行のほうが効率がいいと判断された場合のみ「エンジンドライブモード」というものに移行します。これはエンジンのパワーを直接タイヤに反映させるというもの。このときメーター内のパワー遷移モニターにはエンジンとタイヤの間に歯車マークが現れ、直結されたことを知らせます。
ちなみに歯車マークの出現率は、志村けんの『だいじょうぶだぁ』に新作コントが含まれる率よりも圧倒的に低く、限られた条件下で発生する「エンジンドライブモード」以外ではエンジンとタイヤが直接関連することはありません。
だから冒頭で言ったようにCR-VハイブリッドはEVだと考えた方がわかりやすくなるのです(厳密に言うとシリーズハイブリッドに近い)。
運転してみると、EVモードで走行している際の静かさ・スムーズさは当然として、CR-V用i-MMDシステムの白眉はエンジンがかかったときの自然なフィールです。
というのも、この種のシステムでは耳に入るエンジン音と実際の車速や加速感が一致しないことがどうしても起こるはずなのに、その違和感が薄いからです。
聞けばCR-Vの開発では、実際の車速増加分とエンジン回転上昇カーブをなるべく揃える制御を行い、ドライバーにとって違和感のない走りを追求したとのこと。
また同時に、微細なブレを伴って上昇しているエンジン音に対し、そのブレを補うようなサウンドを追加発生させるASC(アクティブサウンドコントロール)というシステムで違和感を減らすなど、ソフト面からも自然なフィールをサポートしているのです。
これらの努力で、モーターのみで走っているときも、エンジンがかかったときもスムーズに走る印象をドライバーに与えているのでした。泳ぐ白鳥が優雅に見えて、水面下では足を動かしまくってるって感じ。
なお、エンジンの最高出力と最大トルクは145ps/6200rpm・175Nm/4000rpm、モーターの最高出力と最大トルクは184ps/6200rpm・315Nm/4000rpmとたっぷりとしています。
(写真・動画・文/ウナ丼)
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