「永遠の日本のふるさと」を謳う道の駅【遠野風の丘】は、遠野バイパスを下りてすぐというアクセスの良さ、国道283号に面しています。
道の駅【遠野風の丘】
住所:岩手県遠野市綾織町新里8地割2番地1
電話:0198-62-0888
営業:8時〜19時(4/1〜10/15)、8:30〜17:30(10/16〜3/31)
※レストランは通年11:00〜17:00
物産館、レストラン、喫茶・軽食コーナー、展望デッキがあり、遠野観光の拠点としても人気の道の駅です。羽根の形がネジ巻き棒という『スパイラル マグナス風車』が目印(…なのに写ってなくてすみません)。
展望デッキからは田園風景とともにJR釜石線を走る列車が見渡せます(この写真は初夏)。復元された「C58 239」、通称【SL銀河】も14時頃にここを通過します。運行情報は、【SL銀河 – 乗っちゃ王国 北東北|JR東日本旅客鉄道株式会社 盛岡支社】をご参照ください。
遠野といえば柳田國男著『遠野昔話』、そしてカッパ伝説が有名ですね。筆者も初めて訪れたとき常堅寺や十王堂を護るカッパ狛犬、かつてカッパが多く住み人々を驚かせたという伝説が残るカッパ淵(写真)、国の重要文化財旧菊池家住宅を有する伝承園などを廻りました。遠野の定番観光コースです。
まだ見ぬスポットがないかと道の駅でいただいた『周辺の観光案内マップ』を見ていたら、【続石(つづきいし)】という名を発見! さっそく地図を頼りに行ってみました。駐車場は普通車10台ぶんほどで、トイレもあります。
ちなみに【千葉家曲り家】の近くなのですが、そちらは修復中で見学できませんでした。
年季の入った、古びた木製の遊歩道マップ。実は、さらっと写真を撮っておいて見もしなかったという…。ちゃんと最初によく見ておけば…と後悔する羽目に。
こちらも木製で歴史を感じる鳥居。向こう側は森で薄暗く、『クマ出没注意』の看板が恐怖心をあおります。
駐車場に「続石まで360m」と書いてあったので、大した事ないと思ってたらけっこうな山道。しまった、サンダルで来るんじゃなかった。「あと●m」の看板に励まされつつも、登りがきついうえに前日の雨で足元が滑りやすくなっていたので、ほんの5分ほどでも疲れてしまいます。
杉林に突入してしばらくすると、分岐に差し掛かりました。ここを右へ行くと不動岩です。あの地図を見ていなかったので、「不動岩というのもあるの?!」と驚く。節穴すぎて我ながら呆れます。
分岐を越えてすぐ、開けた場所に出ました。ここは『弁慶の昼寝場』と名づけられています。なぜ弁慶なのか? それは後ほど。マルで囲んだところに、続石が見えました! で、でかい!!
そっちに目を奪われてたけど、左側にも巨石『泣石』が!(これも、地図を見てないから知らなかった)
その下部あたりに、お山の水そのままの手水が造られています。しまった、ペットボトルを持って来ればよかった。今日はもう時間も遅いから(15時過ぎ)不動岩も含めて明日、改めて来ようと決意。
続石の方へ登って行くと、小さなお社が建っていることに気づきました。しまった、お賽銭も持ってきてない…。本日、何度目の後悔か。
この巨石の物語が、『遠野物語拾遺|第11話』に収められています。
綾織村山口の続石は、この頃学者のいうドルメンというものによく似ている。
二つ並んだ六尺ばかりの台石の上に、幅が一間半、長さ五間もある大石が横に乗せられ、その下を鳥居の様に人が通り抜けて行くことが出来る。武蔵坊弁慶の作ったものであるという。昔弁慶がこの仕事をする為に、一旦この笠石を持って来て、今の泣石という別の大岩の上に乗せた。そうするとその泣石が、おれは位の高い石であるのに、一生永代他の大石の下になるのは残念だといって、一夜中泣き明かした。
弁慶はそんなら他の石を台にしようと、再びその石に足を掛けて持ち運んで、今の台石の上に置いた。それ故に続石の笠石には、弁慶の足形の窪みがある。泣石という名もその時から附いた。今でも涙のように雫を垂らして、続石の脇に立っている。
ということはもしかして、手水として流れている山水は、泣石の涙?
笠石の大きさは幅7m/奥行き5m/厚さ2m。弁慶説はさておき、古代巨石文化が遺したものという見解にはロマンを感じます。しんと静まり、冴えた空気が別世界の空間を醸し出していて、まさにパワースポットと呼ぶにふさわしい場所でした。
森の中は陽が差しづらいので、あっという間に暗くなってしまいます。急ぎ足で、でも滑らないよう気をつけながら下りました。
日帰り入浴は、【たかむろ水光園】。62000㎡という広大な庭園があり、温泉のほかレストラン、宿泊施設もあります。浴槽は角閃石でできており、遠赤外線効果や消臭効果・抗菌効果があるそうです。道の駅から約8km、常堅寺からだと約4km。
ここは前回も入浴したので、もう1ヶ所の温泉【踊鹿温泉 天の湯】(道の駅から約6km)に入ろうと思って向かったところ、駐車場が狭すぎて断念しました。キャブコンでも難しいと思います。
ちなみに翌日は雨、それも本降り。続石までは片道10分ほどなのですが、さすがに雨の中あの山道を登るのはなぁ…と、再訪は取りやめました。また来年の宿題が増えてしまった。
(松本しう周己)
【関連リンク】
道の駅 遠野風の丘
http://kazenooka.tonofurusato.jp/
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Source: clicccar.comクリッカー