スポンサーリンク

授乳時だけでない、シートベルト&チャイルドシートの着用免除されるのはどんなとき?

スポンサーリンク
スポンサーリンク

目次

●シートベルト着用義務とは?

道路を走っていて「あれ? あのクルマの人、シートベルトしてないの大丈夫かな」って思うことはないでしょうか? 全席シートベルトの着用が義務化された現在、未着用なんてもってのほか! と思ってしまうところではありますが、シートベルトを着用しなくてもよい場合があるのを知っていますか?

シートベルトは、1992年(平成4年)11月1日から運転席・助手席の義務化に始まり、2008年(平成20年)6月1日からは後部座席でも着用が義務付けられています。

しかし、このシートベルト、着用免除される場合もあるのです。

道路交通法施行令第26条の3の2に「座席ベルト及び幼児用補助装置に係る義務の免除」という項目があります。運転者、同乗者、幼児用補助装置(チャイルドシート)について、細かく定義されています。

免除されているケースが多岐に渡るので、ざっくり分類してリスト化してみます。

●集配業務や緊急車両が免除対象

【職務等によりシートベルト着用を免れるケース】

・郵便物の集配業務その他業務のために頻繁に当該車両に乗降することを必要とする場合
・消防車等における緊急車両の場合
・警察車両で被疑者逮捕時等、逃走を防止しながら輸送する場合
・公職選挙法の適用を受ける選挙の選挙カーで選挙運動中の場合
・パレード等で前後を警察車両により護衛されている場合

一番上の集配業務については郵便のほか、同じようにシートベルトの脱着が頻繁になる宅配業者なども含まれます。消防車や救急車、ガス会社などの緊急車両は運転する場合も、同乗する場合もシートベルトは免除されます。

そしていずれも、営業所などから業務エリアへの移動や、回送中はシートベルトの着用義務があります。選挙運動については、国会議員、地方公共団体の議会の議員・首長についてが公職選挙法の適用となりますので、それ以外の場合はやはり着用義務があります。

●運転手はバック時には免除

【一般人でも該当する可能性が高そうなシートベルト着用を免れるケース】

・シートベルトがない場合
・怪我や障害、妊娠などにより、シートベルトを装着することが療養または健康上適当ではない場合
・運転者席以外の座席の数を超える数の者(定員以内)を乗車させるでシートベルトが着用できない場合
・座高が高いか又は低いこと、著しく肥満していてシートベルトを適切に着用できない場合
・バックする時に後方を確認するために必要な場合(運転者のみ)

最初のシートベルトがない場合というのは、昔のクルマでシートベルトが元から付いていないようなケースを指します。壊れていて使えないので外した…などというケースは当てはまりません。後方確認のためにシートベルトを外すというのは運転者のみですが、そのほかは後部座席を含めて運転手以外も該当するケースです。

わかりにくいのは、座席数を超える人数が乗車し、物理的にシートベルトの数が足らないケースでしょうか。これは3名で2名分の乗車人数としてカウントできる12歳未満(かつチャイルドシートを卒業)の子供が乗車している場合などが該当します。

たとえば4名乗車の軽自動車に、大人2名と子供3名が乗った場合、定員はクリアしているもののシートベルトは4名分しかなく、乗車しているうちの誰か1名がシートベルトをできなくなりますが、そのまま乗ってもかまわないとするものです。

●授乳時などは免除

【チャイルドシート使用を免除するケース】

・車両の構造上チャイルドシートが装着できない場合
・運転者席以外の座席の数を超える数の者(定員以内)を乗車させる場合で必要な数のチャイルドシートが装着できない場合
・怪我や障害などにより、チャイルドシートを装着することが療養または健康上適当ではない幼児を乗車させる場合
・著しく肥満していることその他の身体の状態により、チャイルドシートを使用することができない場合
・運転者以外の者が授乳その他の日常生活上の世話(チャイルドシート上でできないもの)を行っている幼児を乗車させる場合
・タクシーやバスなど一般旅客自動車運送事業の乗り物に幼児を乗車させる場合
・応急の救護のため医療機関、官公署その他の場所へ緊急に搬送する必要がある幼児を乗車させる場合

現在、法律で運転者は、6歳未満の幼児についてチャイルドシートの着用させるのが義務となっています。しかし、定員との兼ね合いや、チャイルドシートを使用する幼児の状態によって免除になるのはシートベルトと同じです。

くわえて、授乳など、チャイルドシート上ではできない世話が必要な際に、チャイルドシートから幼児をおろすということも承認されています。

また、シートの形状やスペースなどによってはチャイルドシートがうまく固定できない場合もあり、そういった場合もチャイルドシートの使用が免除されます。古い2by2のスポーティカーなどは2点式シートベルトしかない上に、座面が深く掘られているため、チャイルドシートが浮いてしまって付かないケースもあります。とはいえ、ポルシェのようにその形状に合わせたチャイルドシートをリリースしている場合もありますので、一概にはいえません。

さらに、タクシーやバスについても免除されます。幼児を乗せる通園バスなど、人数も年齢も定まっている場合もチャイルドシート装着の対応をしなくていいというのは、今後変わっていく項目かも知れませんね。

最後にある応急の救護のケースについては、たとえば通りすがりに体の調子をくずした幼児がおり、救急車を呼ぶのではなく自分のクルマで病院へ搬送することになった際や迷子を保護して警察に連れて行く際なども、チャイルドシートの用意がなくても乗せて運んでよい、というようにするためのものです。

いかがでしたでしょうか。意外に多いシートベルト&チャイルドシートの着用免除のケース。もしかするとあなたの目撃したシーンは、この中のいずれかに該当するのかもしれません。

とはいえ、自動車乗車中のシートベルト(チャイルドシートを含む)着用の有無での致死率の差は、非装着者が装着者の15.3倍(警察庁の平成29年のデータ)となりますから、やはりできることなら各席とも正しい方法でシートベルトやチャイルドシートを使用するのがベストであることに違いはありませんね。

(古川教夫)

【関連リンク】

警察庁の平成29年のデータ
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/seatbelt/statistical_chart_table29.pdf

Source: clicccar.comクリッカー

スポンサーリンク
スポンサーリンク