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原付のホンダ・DAXにターボを搭載! 「ナニコレ・カスタム」でも意外とアリでした

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バイクをターボ化、しかも原チャリのホンダ・DAXをベースに!(エンジンはスーパーカブ110)

タービンはちゃんとなく回るのか? 過給はしっかりかかるのか?? 肝心のパワー特性はどうなのか??? 夏休み終盤にお届けするのは、懐かしのホンダ・DAXの「ナニコレ・カスタム」です。その実態はいかに?

車では当たり前となっている過給機。中でもターボチャージャーはメジャーどころ。そんなターボユニットをチューニングパーツのひとつとしてバイクに搭載する猛者が全国には少なからず存在するのです。

まず、ターボ化には当然タービンが必要。排気ガス圧を利用して吸気にも圧力を加えてパワーを底上げする役目を担うパーツだということは皆さんもご存じのとおりです。しかし、元々の排気量が少ないバイクではその特性上、制御が難しく、新車で採用されるケースはほとんどありません。

バイク業界が活性化しはじめた1980年代前半には、CX500/650ターボ(ホンダ)、XJ650ターボ(ヤマハ)、XN85(スズキ)、750ターボ(カワサキ)といった、ターボチャージャーを搭載したモデルが各メーカーから発売された事もありました。しかし、高価なこともあって不振に……。

それ以降は長らく開発されることもなく、これらの車両は一部の熱狂的マニアから支持されるのみ。ちなみに数年前に発売されて話題となったカワサキのH2/Rは同じ過給機でもスーパーチャージャー仕様。排気量はそのままで飛躍的なパワーアップを可能にし、メカ好きならその響きだけでかるくご飯3杯は軽くいけるターボチャージャーは夢のようなパワーユニットなのです。

サイレンサーの他、グラブバーや各種ステーなどもワンオフ品。ホイールやハンドルなどはパウダーコーティング、シリンダーヘッドはリンクル塗装を施している。

前置きが長くなりましたが、バイクにおいてはターボを搭載した車両はそれだけレアな存在です。しかも、今回紹介するのはなんと原チャリ! ベースはホンダのレジャーバイク・DAX。エンジンマウント部を増設し3点留めに増やすなどして剛性を保ちつつ、フレームを大幅に加工。これによってロータリーミッションのスーパーカブ110(JA07型)のエンジンを換装。これに軽自動車用のIHI製タービンを用意し、+αを追加してモアパワーを獲得……というのが全体構成。

タービンはブリッツの調整式のブローオフバルブで加給圧が0.6kで逃げる設定。排気量が少ないということもありアクチュエータ(制御ユニット)は除去。ターボラグを極力なくすため、インタークーラーとサージタンクの容量は排気量(109㏄)に合わせて適正化し、レスポンスとスムースな回転を維持しています。

また、FI仕様になるため、燃料ポンプはアウトタンク式のエイプ50FI純正を採用。燃調についてはフルコンではなく、キタコ製のサブコン(iMap)とPLX社の空燃比計を用い、実走を繰り返してセッティングし完成を遂げたという。

ターボユニットを載せるだけでも苦労するのに、その機能を少排気量で活かすノウハウには驚きのひとこと! 他にも、フレームネックをチョップして全長を詰め、モンキー用スイングアームを流用してホイールを10インチから8インチに小径化することで全体のフォルムをコンパクトに凝縮している車体も見どころです。

次に気になるのは実際の”乗り味”。数多くのバイクを試乗し、ミニバイク経験の豊富なモトチャンプ編集部員によると

ドッカン、と来る加速感に身構えていたれど、意外とす〜んなり発進! あまりにも自然な出足に良い意味で期待を裏切られた。だけど、2速に上げてアクセルをあおるとそのキャラクターは豹変! シュイーンというターボ独特の音が聞こえたかと思うと、スムースにトルクが立ち上がり、あっという間ににレブリミット(約9000rpm)に到達。滑らかにかつモリモリと加速していくのは非常に愉快!!
遠心クラッチのままだったけど、それでも乗りやすいし、シフトアップ時のこの力強さは排気量アップとはまた違うテイストだね。車体はモンキーよりもコンパクトだけど安定感があって怖さはない。ただ、前後の足周りのセットが硬めで、ほぼリジッド状態。路面状況はわかりやすいけどこれが長距離となると……。原付本来の短距離での使用用途と割り切ればこれほど面白いバイクはない

と大絶賛でした!

多機能のヨシムラ製GTメーターをメインに据え、ターボに不可欠なブースト計はHKS製を備える。

この車両のオーナーにして製作者であるTAKU8氏は「ターボ仕様のスクーターは過去に何台か作っていて、メタルワークもそれなりに経験があるのでターボ化及び加工などはそれほど苦労しませんでした。それよりも小さな車体やフレーム内に配線やECU、レギュレーターなどを隠すのが大変でしたね」とのことです。

見た目にもこだわってこその機能美、TAKU8氏はこのダックス×ターボを通じて、さらにミニバイクのカスタム&チューンの奥深さに触れたようでした。

フロントサスはライブDio ZX用でボトムケース&ブレーキはCD50を流用。リヤ側はOKD製の260㎜荒巻きショックを組む。

■BASE MACHINE:HONDA・DAX
■BASE ENGINE:HONDA・SUPER CUB110(FI)
■OWNER BUILDER:TAKU8
■REPORT:佐藤恭央
■PHOTO:山田俊輔

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Source: clicccar.comクリッカー

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