7月21・22日に富士スピードウェイで開催されたブランパンGTアジア富士ラウンド。ここでは第7戦と第8戦が行われます。
ブランパンGTアジアはタイ、マレーシア、日本の鈴鹿、富士、中国の上海、寧波と6大会12戦が開催され、参戦マシンはSUPER GTのGT300クラスでお馴染みのFIA-GT3と、日本ではあまり馴染みがありませんがヨーロッパを中心に人気を集めているFIA-GT4となります。
6月30日に鈴鹿で開催された第5戦にGT4クラスで優勝したGT4クラス唯一の日本チーム「BMW Team Studie」のBMW M4 GT4に注目が集まるところですが、結論から言ってしまうと、富士ラウンドを2連勝しました!
第7戦、第8戦ともにポールポジションはBMW Team Studieの81号車。
その81号車のドライバーは、「アニキ」こと木下隆之さんと砂子塾長。「往年の…」といっては失礼ですが、お二人とも日本のレース界では名を馳せた方々。レーシングドライバーを引退後、長らく現役を遠ざかっていたことによりアマチュアドライバーとしての「資格?」を得ることでGT4クラスのドライバーとしてブランパンGTアジアに参戦しています。
GT4マシンはメーカーがレーシングマシンとして市販するもので、GT4規定に則って製作するためチームによる改造が出来ないところはGT3マシンと同じ。外観はほぼ市販車のままでウィングとカナード、リップスポイラーが装着された程度。フェンダーを膨らませたりするGT3と違って、GT4マシンの見た目は完全に市販車のボディ。
ポールポジションをとったBMW Team Studieの81号車は1分46秒870がベストタイムで、これはGT3クラスのポールポジションから10秒しか遅くないことになります。スーパー耐久でいえばST-TCRクラスのHONDA CIVIC TCRとほぼ同程度のタイムです。
なお、今回のブランパンGTアジアではダンロップコーナーの舗装が剥がれるというアクシデントがあったため、ショートカットレイアウトとなり、フルコースに比べて総じて3~4秒ほどタイムが短縮されています。
そんなGT3との混走の中、安定したレース運びで優勝を勝ち取ったBMW Team Studieの81号車。この富士ラウンドに関しては2戦ともポール to ウィンの完全勝利での連勝を飾りました。
この2連勝でシリーズチャンピオン争いに再び加わることが出来、今後の中国ラウンドでの活躍が期待されます。
第8戦の81号車フィニッシュドライバー、砂子塾長をパルクフェルメまで迎えに行く鈴木監督の満面の笑み。そして第8戦で3位に入った82号車のドライバーとともにダブルボディウムを喜びます。
また、第7戦ではその他の日本人選手も大活躍。まずオーバーオールウィナーはKCMGのGT-R NISMO GT3 2018。
このマシンにドライバーとして参加しているのがスーパー耐久でENDLESS GT-RもドライブするYUKE TANIGUCHI選手。
YUKE TANIGUCHI選手はオーバーオールウィナーのほかにプロとアマチュアの混成チームという部門でも部門優勝を果たします。
またGT3アマチュア部門の部門優勝を飾ったのが竹田直人選手と白坂卓也選手。このコンビで第8戦も部門優勝を獲得し、部門2連勝を飾っています。
今回のブランパンGTアジア富士ラウンドでは、アジアにおけるモータースポーツで日本の存在感を明確に示したものとして非常に意義のあるものだったのではないでしょうか。ブランパンGTアジアはこのあと中国に舞台を移し、GT3、GT4ともにチャンピオン争いが繰り広げられるのです。
(写真・文:松永和浩)
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Source: clicccar.comクリッカー